機能性表示食品の全点検、9割の1,551社が回答

 消費者庁は、小林製薬の紅麹問題を受けて実施した機能性表示食品の全点検の結果、約9割の1,551事業者から回答があったことを明らかにした。健康被害に関する情報の報告が35品あったが、今回の点検作業を受けて「直ちに何らかの対応が必要とは考えていない」とした。消費者庁では3月28日、機能性表示食品の届出者1,693事業者に対し、健康被害の情報収集体制が機能しているか、また健康被害があるかを確認するメールを送信。4 月12日までの回答を求めていた。期限後も回答があり、4月16日24時時点で、全届出者の91.6%に当たる1,551事業者が回答。回答のあった届出製品は、対象6,795品の内6,530品だった。未回答の事業者に対しては、引き続き連絡を行うが、中にはおそらく廃業した企業もあるといい、「法務局にも確認しながら、連絡がつく限りは連絡していく」としている。

 

 回答があった6,530品の内、「販売実績あり」は4,603品。この中で、医療従事者(医師、薬剤師、看護師等)から健康被害に関する情報の報告があったのは、22事業者の35品(延べ147件)だった。いずれの報告も、事業者による評価で「消費者庁への報告は不要と判断」との回答があった。死亡事例はなく、一部入院事例もあったが、大半は下痢などの軽症。これらの報告は、使用後に発生した健康に関する事象を幅広く含んでおり、消費者庁によると、因果関係がないと見られるものもあるとしている。また、特定の製品で特定の症状が集積してみられるという状況にはないという。また健康被害に関する情報は、機能性表示制度スタート以降、これまでの9年間の中で医療従事者から報告があったものであることを説明。「昔の事例もあれば、最近の事例もある」という。「機能性表示食品を巡る検討会」には、「いずれかの段階で報告する」とした。つづく

 

 

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