特集【コエンザイムQ10】 機能性表示が多数、フェムケアにも利用進む

 コエンザイムQ10市場では、「酸化型」と「還元型」の2種類の原料が流通。「酸化型」は、体内で還元型に変換され、各臓器に運ばれ利用される。乳化技術や包接技術により水溶化させることで、体内での吸収性を高めた原料などがある。「還元型」は、体内での変換の必要性がなく、そのまま体内で力を発揮するといった特長を持つ。世界で初めて還元型CoQ10の大量生産技術を確立させたカネカやペトロユーロアジアが還元型原料を取り扱う。カネカは、「カネカQH™」シリーズを国内外で展開。国内市場は、機能性表示食品対応素材として利用が広がっている。機能性表示食品は、還元型CoQ10のみ(撤回除く)で60品を超える。「疲労感の軽減」が最も多いほか、「睡眠の質の向上」も採用件数が増えている。また、新たに「肌のうるおいを保つ」旨が謳えるようになり、同社では、「複数事業者様に興味を持って頂いている」という。

 

 酸化型の主な原料サプライヤーは、日清ファルマ、横浜油脂工業、三菱ケミカルグループなど。原料価格はキロ当たり8〜10万円税後。横浜油脂工業は、顧客ニーズに合わせて、乳剤・水溶化粉末・原末の3種5アイテムを取り揃える。水溶化コエンザイムQ10の「アクアQ10」シリーズを手掛ける日清ファルマは、液体品が美容飲料向けに「引き合いが増加している」という。また、疲労分野における機能性表示食品の届出を準備中で、BtoB事業の拡大を図る狙い。各社からは、「供給量がコロナ前までに戻りつつある」「5-ALA、NMNといった話題成分に、抗酸化素材としてメジャーなCoQ10を採用するケースが増えている」「“ミトコンドリア”の役割が注目され、CoQ10の問合せが目立つ」「欧州向けの供給量が伸びている」などのコメントが聞かれた。

 

 最終製品の傾向としては美容、エイジングケア、抗疲労を訴求した商品が多い。また、スポーツ愛好家向けのサプリメントや、フェムケアの関心が一段と高まる中、加齢による卵子の質の低下は、ミトコンドリアのエネルギー産生効率の低下と関係していることなどから妊活サポート商品も増えている。原料サプライヤーからも「フェムケア商材に採用された」といった声が多く、新たな顧客開拓に繋がっている様子がうかがえた。つづく

 

 

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