特集【プラセンタ】 健食・化粧品とも各社微増傾向に

 ブタ・ウマプラセンタの主な原料サプライヤーは、ホルス、スノーデン、佳秀工業、一丸ファルコス、三共バイオケミカルズ、日本バイオコン、東洋酵素化学、ホスミン栄養栄養化学工業など。国産原料や、モンゴル、スペイン産などの胎盤を国内で粉末・エキス化した原料が流通している。ブタ胎盤は、安全性や品質の問題から、特定の病原菌を持たないSPFブタ、ウマは競走馬の胎盤が人気のようだ。

 

 多くのサプライヤーは契約農場と強力な連携により、胎盤の採集、保管、輸送まで徹底して管理している。鮮度の良い胎盤は、ドリンクに配合した際、味に違いが出るため、体感はもとより飲みやすさでリピートに繋がるという。加工法においては、胎盤を酵素処理、非加熱など独自技術を採り入れており、差別化した原料開発がみられる。最近では、乳酸菌や酵母発酵、エクソソーム含有のプラセンタ原料など、付加価値提案が活発化している。エクソソームは、伝達物質のことで、化粧品業界で人気ある成分の一つ。サロンや通販ルートでは、引きのある成分として利用が増えている。

 

 機能性表示食品は2020年に銀座ステファニーの『プラセンタ』『プラセンタ100フォルテ』が初めて受理。「豚プラセンタ由来ペプチド」を関与成分に肌保湿を訴求。2021年には佳秀工業が「ブタプラセンタ由来ジペプチド」を関与成分として受理された。肌の保湿力をヘルスクレームとし、サプリメントを展開。今年初旬には、女性のメンタルヘルスに関する査読付き論文も発表。新たな訴求で、機能性表示食品の届出受理を進めている。

 

 一方、動物由来の原料は、販売自体が禁止されている国もあり、大手化粧品メーカーは避ける傾向にある。こうした中、サケ卵巣膜、バラやパイナップルなど植物から抽出したプラセンタ様成分も流通。動物由来にはない、血流改善、美白サポートなどの機能を差別化に、一定の市場を構築している。健食の最終製品では、ソフトカプセル、ドリンク、ゼリーなどの剤型に利用されている。今回の取材では、プラセンタ配合のドリンクが、引き続き好調という声が多かった。今回の主要企業への取材から、プラセンタサプリメントの市場規模は、前年比2%増255億円。堅調に推移していることがうかがえた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1786号(2024.4.17)で
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