【インタビュー】 抗炎症作用を介した様々な健康機能が魅力
「ファンクショナルフード学会」は、グルコサミンをはじめとする様々な機能性食品素材に関する研究、情報交換、啓発活動を行っている。グルコサミンの市場発展と共に歩み、前身の「グルコサミン研究会」から今年で20年を迎えた。同学会特命理事(前理事長)で、順天堂大学保健医療学部特任教授を努める長岡功氏に学会活動や、グルコサミンの期待する健康機能などついて話を聞いた。
──「グルコサミン研究会」発足から20年を振り返っての感想は
長岡氏 グルコサミンの市場形成初期に、業界の要請で「グルコサミン研究会」が発足しました。その後、2015年に名称を「ファンクショナルフード学会」に変更。2019年には、正式な学術学会として日本学術会議学術研究団体に認められました。グルコサミンについて、これまでに軟骨保護作用や抗炎症作用をはじめ、血管内皮保護作用、動脈硬化抑制作用、血小板凝集抑制作用、ヒアルロン酸産生作用――など、様々な研究成果が報告されました。
今年1 月には「第20回ファンクショナルフード学会学術集会」を開催。20周年を迎えた記念大会として、運動器に関わる最新研究や炎症抑制などの作用メカニズム解明に関する研究成果を中心とした演題が盛り込まれ、若手研究者からの講演発表も行われました。グルコサミン関連では、東京農工大学農学部附属堅蛋白質利用研究施設の野村義宏氏がグルコサミンと肌をテーマに、皮膚水分量の改善や、シワの形成抑制など、これまでの研究成果を紹介。グルコサミンが関節や皮膚の健康維持、改善が期待できる健康食品素材であると述べていました。
──グルコサミンの健康機能について期待する点は
長岡氏 グルコサミンは抗炎症作用を有し、それが軟骨の痛みを低減し、軟骨の分解を抑制していると考えられます。この抗炎症作用が、全身の様々な場所で力を発揮するのがグルコサミンの魅力だと思います。海外では、約8万人を対象に実施した米国疫学調査で、グルコサミン摂取群は非摂取群よりも死亡率が17%低減されたという報告があり、寿命が延命したことが示されています。心臓血管疾患のリスクを低減するという論文もあります。国内では、グルコサミンがサーチュインや、オートファージーを活性化することや、ヒト血管内皮機能を高める研究成果なども報告されています。国内外におけるこうしたエビデンスからもグルコサミンの健康機能に対する期待は大きいです。つづく
詳しくは健康産業新聞1786号(2024.4.17)で
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