【調査データ解説】 水素商材市場の全貌をレポート
本紙編集部では、今年3月中旬から4月上旬に掛けて、水素商材の取扱各社を対象に、訪問取材およびアンケート調査を実施し、42社から回答を得た。ここでは、2024年上期の経営状況および、各社の取り扱いアイテム、水素商材の主な販売チャネルの動向、海外輸出の状況から輸出国、さらに2024年通期の経営見通しまで、調査データを交えながら、水素商材市場の最新の動向をレポートする。
【経営状況】
今年上期の経営状況について「良かった」との回答は、昨年調査より13.7ポイント増の53.7%。逆に「悪かった」との回答は同6.9ポイント減の2.0%にとどまった。今年通期の経営見通しを聞いた調査でも、昨年調査より4.4ポイント増の61.0%が「良くなる」と回答。売上・増減率回答のあった企業の内、今年通期で増収を達成する見込みの企業は、同13.7ポイント増の73.7%となっている。売上を拡大しているメーカーは、体験販売や説明販売を行なえる販売チャネルを掴んでいる企業が目立つ。また展示会や学会へのブース展示、プロ・アマスポーツへの協賛、メディア露出等、販促活動を積極的に行っているメーカー、EC販売でもSEO対策等に費用を掛けている企業が多い傾向が見られる。
【販売チャネル】
各社に原料供給、卸売・直販、OEM先を複数回答で聞いた結果、「メーカー・商社」では、昨年調査で3位の健康・医療機器がトップに。水素吸入器の取扱企業の増加に比例して、その卸先も増加していることがうかがえる。「店舗販売」では、昨年調査と同様、薬局・薬店・DgSと健康・自然食品専門店、百貨店がトップ3。ただ全体の得票数を見ても、水素商材の店舗販売での流通が少ないことを表わしている。「無店舗販売」では、昨年調査同様、通販が断トツのトップ。以下、宣講販、ネットワーク(MLM)、訪販、催事となっている。「施設」では、昨年調査で3位の医療機関がエステサロンと並んでトップに。3位は治療院、4位はフィットネス・スポーツ施設が続いた。
【海外輸出実績】
海外輸出実績については、「輸出実績がある」との回答が、昨年調査より12.6ポイント増の56.1%となった。コロナ収束に伴い、海外市場への展開が一気に拡大している様子がうかがえる。輸出実績のある国については、今期もトップは中国(香港含む)。ただ、昨夏のアルプス処理水問題に伴う日本製品へのアンチ、中国経済自体の失速を背景に、これまでの調査と比較して得票数は伸び悩んだ。上位はアジア諸国が目立つものの、今回は2位に米国、7位タイに英国など、欧米の姿も散見された。つづく
詳しくは健康産業新聞1786号(2024.4.17)で
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