特集【免疫サポート】 日常の”免疫ケア”が浸透
フコイダンやアガリクス、ビタミン類、霊芝、濃縮乳清タンパク、メシマコブ、チャーガ、冬虫夏草、キャッツクロー、鮫肝油、フミン酸、植物多糖体、有機ゲルマニウム、担子菌培養抽出物、タヒボ――など、免疫賦活作用を持つ健食素材の多くは、古くからがん治療の補完代替医療を行うクリニック等で、化学療法や薬物療法の治療サポート、副作用の軽減等を目的に利用されてきた歴史を持つ。免疫サポートサプリメントは長年、これら医家向けルートをはじめ、相談薬局、対面販売ルートを通じて消費者に販売されてきた。
近年、免疫サポートサプリメント市場に光が差したきっかけが、新型コロナウイルスの世界的な蔓延だ。得体の知れないウイルスの恐怖に、人々の予防意識や免疫への関心は一気に高まった。多くの消費者は我先にネットで検索し、これまで医療機関などクローズドマーケットで流通してきた免疫サポートサプリメントの売れ行きが伸長。さらに、時期を同じくして、機能性表示食品制度で初となる「免疫の維持」表示が受理され、免疫対策へのニーズを捉え、急成長した。
新型コロナの猛威が収まって1年弱。いまだに消費者の予防意識は高く、免疫サポートサプリメントのニーズは旺盛な状態を維持している。実際、大正製薬が20〜60代の男女1,000人を対象に実施した調査でも、免疫対策への意識は、全年代で「維持、ないしは向上」との回答が7割を超えた。本紙編集部が昨年12月、健食受託加工・製造企業へ行ったアンケート調査でも、「受注件数が伸びている商品カテゴリー」として、「美容・美肌」「ダイエット」「スポーツニュートリション」のトップ3に続き4位に「免疫サポート」が入った。コロナ禍で、需要が伸びた2021年の1位からは順位を下げたものの、引き続き、成長が期待されるカテゴリーの1つとなっている。
「免疫機能の維持」を謳える機能性関与成分は、キリンホールディングスが開発した『プラズマ乳酸菌(L.lactis strain Plasma)』、アサヒグループの『L-92乳酸菌(L. acidophilus L-92)』の2つの乳酸菌と、キユーピーの『酢酸菌GK-1(G. hansenii GK-1)』。この3成分を用いた機能性表示食品の累計受理件数は3年余りで100件を超えた。 免疫賦活を示すエビデンスでは、細胞内の炎症性サイトカインやインターフェロン血液や粘膜中の免疫グロブリン(IgG、IgA等)の数量を指標として、NK細胞やヘルパーT細胞、樹状細胞、腸内細菌叢などの活性作用に落とし込む例が目立つ。今後もエビデンス構築や第4の機能性表示食品の受理に期待が掛かる。つづく
詳しくは健康産業新聞1786号(2024.4.17)で
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