特集【健康・美容飲料】 受託6割が増収、成長軌道に勢い

 本紙編集部では今年2月中旬〜3月初旬に掛けて、健康・美容飲料およびゼリー飲料等の受託製造実績のある企業を対象に取材およびアンケート調査を実施、37社より回答を得た。2023年度の経営状況について「良かった」との回答は、40.5%で昨年調査より4.7ポイント減少。度重なる原材料・資材や光熱費・物流費等の高騰を背景に、増収減益と回答した企業も少なくなかった。実際、2023年度の減収企業は、同5.3ポイント増の28.6%となった。

 

 一方、増収達成企業は昨年調査より9.7ポイント増の63.0%。2ケタ増収企業も同3.5ポイント増の20.1%となった。増収企業からは、コロナ収束に伴う市場の回復、海外輸出案件が復活、新規案件の獲得等を理由に挙げる企業が多かった。今年に入りインバウンド需要の復調も見られているとのコメントも聞かれた。2023年度の健康・美容飲料市場の景況感についても「好景気だった」との回答は、昨年調査より7.6ポイント増の34.4%、逆に「不景気だった」との回答は同10.4ポイント減の2.9%に留まった。

 

 2023年度の人気受注素材を聞いた調査では、今年もコラーゲン、プラセンタのトップ2は変わらず。3位には昨年5位の乳酸菌がランクアップした。上位ランクは昨年とほぼ変わらず。話題のCBDは今年もランクインした。またランク外だったものの、マカや高麗人参などの滋養強壮系素材も複数票を集めた。受注件数が伸びているカテゴリーを聞いた調査では、美容・美肌のトップは不動。2位の滋養強壮・強精は昨年5位から、3位の栄養成分補給も昨年4位からそれぞれランクアップとなった。上位ランキングは概ね昨年調査と変わりなかったが、コロナ収束を受け、免疫賦活がランク外に、代わりに運動パフォーマンス対策がランクインした。

 

 清涼飲料水での受理件数が3月13日時点 で845品(撤回除く)と、年々存在感を増す機能性表示食品。「機能性表示食品受注実績がある」「受注実績はないが、問合せは増えている」との回答を合わせると6割を超えた。機能性表示食品制度が健康・美容飲料市場に与える影響について「市場拡大に繋がる」との回答も6割弱となっている。受託企業からは、「現状は500mL等の容量が中心だが、今後は小容量の届出も増えてくると考えている」とのコメントも見られた。つづく

 

 

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