特集【注目のダイエット素材】 トレンドは“腸活×ダイエット”

 長引くコロナ禍から日常生活に戻ると共に、健康に対する意識は一層向上した。痩身願望も相変わらず高く、TPCマーケティングリサーチが昨年11月に20~60代男女1,235人を対象に実施した「ダイエットの意識・実態調査」によると、ダイエット対策商品の利用率は、「サプリメント」「ダイエット・栄養食品」「飲料」の全てのカテゴリーで2021年調査よりも利用率が増えた。また、ダイエットを実践する理由では、「リモート会議などで自分のモニター映りが気になったから」「新型コロナによるお家時間の増加でSNSでの発信(自撮り等)の機会が増えたから」といった回答が、前回調査に比べ5ポイント以上増えた。コロナ禍を経験して新たな生活習慣が生まれる中、ダイエットを実践する理由も変化がみられた。

 

 また、在宅ワークの拡大などによる運動不足や、様々なストレス増加による食べ過ぎなどから、“スリムで引き締まったボディ”“健康美なボディスタイル”を求めるニーズは引き続き高い。こうした中、プロテインは新商品上市が続いている。パウダータイプでは、飲みやすさやフレーバーの種類に加え、「人工甘味料・着色料・香料不使用」「ナチュラル」などを謳う商品や、携帯できる個包装タイプなど、女性ユーザー目線の商品が増えた。パッケージも従来のプロテイン商品とは異なり、女性ユーザーを意識したデザインが目立つ。一方、商品淘汰も始まっており、原料メーカーでは、タンパク質の吸収促進などを有する素材提案もみられる。

 

 ダイエット訴求の機能性表示食品は、商品開発が活発化している。大手企業から中堅企業まで、特色ある機能性表示食品が流通。ドラッグストアなどの売り場では、「腹部(おなか)の脂肪を減らす」「ウエスト周囲径を減らす」「糖の吸収を抑える」「内臓脂肪と皮下脂肪を減らすのを助ける」「腸内環境を整える」などのヘルスクレームを謳う商品が並ぶ。最近ではファンケルが粉末品『カロリミット茶』を機能性表示食品(機能性関与成分:桑の葉イミノシュガー・茶花サポニン)としてリニューアルした。また、“腸活”という言葉が浸透する中、特定保健用食品や機能性表示食品などの「イージーファイバー」シリーズ(小林製薬)の支持が高いほか、「便通を改善する」「腸内環境を改善する」といったヘルスクレームを加えたダブル、トリプル表示品の上市も目立つ。一方、届出表示を逸脱した広告表現や根拠がない痩身効果の羅列などから、ダイエット訴求の機能性表示食品を販売していた事業者2社に対して昨年12月に措置命令が出た。販促については十分に留意する必要がある。つづく

 

 

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