厚労省、「食事摂取基準」25年版で報告書案 成人のビタミンC推奨量50mgに

 厚生労働省は3月6日、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会の第5回会合を開催、報告書案について大筋で合意した。今後細部を修正して報告書を公表、24年度に「食事による栄養摂取量の基準」を告示し、25年度から適用する。ビタミンB1やビタミンCの推奨量などの数値について、20年版から一部変更を行う。これを受けて消費者庁では今後、食事摂取基準に基づき設定している「栄養素等表示基準値」を見直す方針。

 

 食事摂取基準は、科学的根拠に基づく栄養政策を推進する際の基礎となるもので、5年ごとに改定。厚労省が検討会とワーキンググループを設置し、検討を進めてきた。栄養素の指標については、摂取不足回避のための「推定平均必要量」「推奨量」、過剰摂取による健康障害を回避するための「耐容上限量」、生活習慣病の発症予防を目的とした「目標量」について検討。推定平均必要量と推奨量が推定できない場合、「目安量」を設定している。

 

 食物繊維について、健康への利益を考えた場合は「少なくとも1日当たり25g」を摂取した方が良いと考えられることを指摘。ただ国民健康・栄養調査に基づく中央値はそれよりかなり少なく、「この値を目標量として掲げてもその実施可能性は低いと言わざるを得ない」とし、成人の中央値(13.3g)と25gの中間値「19.2g」を目標量算出のための参照値とした。男性の目標量では、30〜64歳は20年版から1g引き上げ、1日22g以ビタミンB1は計算するバイオマーカーを変更したことで、推定平均必要量・推奨量が20年版より若干引き下げられる見通しとなった。

 

 ビタミンCは推定平均必要量設定の基本的な考え方について統一を図り、指標設定の考え方を「不足を回避するための量」として検討。18〜64歳については男女とも、推定平均必要量を85mg/日から35mg/日、推奨量を100mg/日から50mg/日にそれぞれ引き下げる方向性が示された。鉄に関しては、耐容上限量の記載をなくす。また、一部の年齢階級で推定平均必要量、推奨量が若干引き下げられる見込み。つづく

 

 

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