【インタビュー】 (一社)日本健康食品規格協会 理事長・池田秀子氏

「“17年通知”改正に基づく新たな活動支援の在り方へ」

  (一社)日本健康食品規格協会(JIHFS:The Japanese Institute for Health Food Standards)は、2005年から19年間に亘り「健食GMP認証」事業を展開。欧米やアジアなど諸外国の健康食品事情にも精通し、日本の健食業界の国際化を視野に入れた活動に尽力。理事長の池田秀子氏に、健康食品GMPを取り巻く状況や今後の課題について話を聞いた。

 

――17年通知の改正について。

 2020年6月施行の食衛法改正に伴う指定成分制度でGMPが義務化され、「バリデーション」項目が明記されたが、こうした行政の変化にも、健食GMP認証専門機関としての19年間の活動実績が貢献しており、17年通知当初とは格段の差。今回の改正は、指定成分等含有食品のGMPと横並びに整理するためのもの。健康食品業界では今後、原材料から製品への全てを視野に安全性と品質確保のための実質的取り組みをしていくことが大切。

 

――輸出案件の増加について。

 JIHFSでは、国内の健食GMP認証事業者の国際化に活用できるよう、2005年のGMP認証開始時から、和文と英文の両方の認定書を発行している。ASEANでは、統一基準となるヘルスサプリメント法が各国政府により承認され、欧米と同様、サプリメントにGMPが必須となり、各国政府より事業者を通して日本の政府公認の「健食GMP認証の裏付け」を要望する声が増えている。

 健康食品を行政側からみると、日本の場合は機能性表示の有無で、海外の場合は錠剤やカプセルなどの形状で分けている。海外では、医薬品的形状による特殊性から、成分や安全性、品質に対するリスク管理をしており、日本の規制と同じテーブルに並ばない。法律に基づきサプリメントにGMPを義務化している欧米、ASEANと異なり、健食GMP認証取得の判断は事業者の自主性に委ねられている。JIHFSでは、海外のGMPに勝るとも劣らない内容で認証しているが、ASEAN内の某国政府からは、「日本のGMP認証は厚労省の関与が少なすぎる」との指摘も受けている。

 

――今後の方向性について。

 GMPについて、50年もの歴史を持つ医薬品業界でも品質に関わる問題は後を絶たず、GMP認証機関としての責任の重さを常に感じている。今後は有害事業報告も業界にとって重要な課題となるだろう。錠剤・カプセル状等食品には通常の食品とは異なるリスクがある。国民の健康保護のため、安全性確認が不十分であってはならない。JIHFSでは、17年通知改正に伴い、事業者への新たな支援活動を推進していく。つづく

 

 

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