特集【注目のアイケア素材】 眼の健康寿命がQOLに直結
加齢に加え、デジタル化が進み、眼精疲労やドライアイなど、目の不調を訴える人は年々増加。日本眼科医会でも、国内のドライアイ患者は1,200万人以上で、増加傾向との発表がされている。クロス・マーケティングが昨年11月、全国20~79歳の男女2,400人を対象に実施した「目に関する調査(2023年)」によると、対象年代の6割以上の人が「目が疲れている」と思っており、特に50代が76%と一番高かった。眼精疲労やドライアイ、視力の低下はすぐに眼の疾患に繋がることはないが、肩こり、睡眠障害、転倒や認知症などを進行させるとされる。ヒトは視覚から情報を8割得ているといわれており、超高齢化が進む中、眼の健康寿命はQOLの向上とも大きな関連を持つ。こうしたデジタル化の普及を背景に、アイケアサプリの需要も年々拡大している。
アイケアサプリの代表的な素材は、ブルーベリーだ。サプリメントには「北欧産ビルベリー」が主に利用され、安定した需要を獲得している。他にもルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、松樹皮エキス、クロセチンなどのアイケア素材が追随する。矢野経済研究所が昨年12月、20代~70代以上の男女を対象に行った「健康食品に関する消費者アンケート調査」によると、摂取しているサプリメントの成分の上位15位にブルーベリーとルテインがランクインした。特にルテインは60代以上の男女2割が摂取しており、シニア層への認知度は高まっている。
ルテインは、ホウレンソウ、カボチャ、ケールなどの野菜に含まれるカロテノイドと呼ばれる天然色素の一種。抗酸化作用を持ち、人体にもともと存在している成分。サプライヤーは、安定供給のために、栽培地や保管倉庫の新拠点の取得や、物流が滞らないようにサプライチェーン強化のリスクマネジメントを行っている。ルテイン同様、抗酸化作用を持つアスタキサンチンも人気が高い。国内外での需要増に対し、サプライヤーサイドでは、培養工場増設で生産能力を増強し対応を図る動きも見られる。また、カシス協会とエビデンスの共同研究が進むニュージーランド産カシスは、気候変動による不作続きで過去3年間は供給が滞っていたが、2023年度は例年通りの収穫量となり、原料提案が進んでいる。つづく
詳しくは健康産業新聞1782号(2024.2.21)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら