【行政動向】 機能性表示食品、届出ガイドライン改正

 機能性表示食品の届出資料が不適切とみなされて措置命令を受け、業界が激震に見舞われた「6.30問題」は、全届出品を対象に、科学的根拠の再検証を要請する事態に発展。業界に波紋を広げた。こうした中、9月29日の届出ガイドライン改正では、どのような基準で研究レビューが作成されたのかをより明確にするため、準拠するPRISMA声明を2009年版から2020年版に変更。新規届出は2025年4月から準拠が必要になる。既存届出は「随時」変更届出を行うこととする。このほか、チェックリストに届出者の代表者の確認欄を追加。届出内容の責任の所在を明確化する。また同日、「質疑応答集」を一部改正。問21に「データベースから得た情報の使用に当たっては、当該データベースの利用規約に従うものとする」という一文が加えられた。商用利用を禁止する国立健康・栄養研究所のデータベースは、現在届出資料に引用できなくなっている。

 

 2023年の後半に、食品表示に関する2つの検討が始動した。消費者庁は10月13日、「食品表示懇談会」の第1回会合を開催、食品表示の方向性について議論を開始した。コーデックス委員会の部会で、食品表示方法のデジタル移行が議論になっていることを踏まえ、今後の日本の対応について議論するもの。4月に食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管するにあたって、食品表示が目指していく方向性について、「中長期的な羅針盤となるような制度の大枠」を検討する。11月24日に第2回会合を実施、今年度末をめどに取りまとめを行う予定としている。

 

 また消費者庁は11月2日に、「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」の初会合を開催。海外で導入されている「包装前面栄養表示(Front of Package Nutrition Labelling)」のあり方を議論するもの。栄養成分表示の見にくさや、わかりづらさを補足するもので、海外では「閾値・カテゴリーまたはスコアリング型」「栄養素含有量表示型」があり、国によって任意表示または義務表示に分かれる。検討会では今年度中に、日本版の包装前面栄養表示の基本的な方向性について中間取りまとめを行い、報告書案を示す予定だ。つづく

 

 

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