特集【四国企業ガイド】 認証制度ヘルシー・フォーでブランド高める
四国地方は、温暖な気候と豊富な水・森林資源に恵まれ、様々な農産物を生産している。太平洋と瀬戸内海に囲まれた地形から日本有数の魚介類が水揚げされる。日本の国土の5%程度の面積でありながら、柑橘類やオリーブ、ナス、ショウガなど生産量全国一の生鮮食品が豊富だ。瀬戸内海と道後水道に面する愛媛県は、柑橘類の生産量が長年全国1位を維持している。柑橘類の機能性研究も盛んで、愛媛大学では、地場企業と共同で「ノビレチン」「β-クリプトキサンチン」などの研究を行っている。遠赤青汁や愛媛飲料は、「β-クリプトキサンチン」を機能性関与成分とした機能性表示食品を全国展開している。
また、魚介類の産卵や養殖に最適な藻場、干潟に恵まれていることから、イワシ、マダイなどの魚介類の収穫量も全国トップクラス。八幡浜漁港近くに本社工場を構える仙味エキスは、イワシから抽出される「バリルチロシン」の血圧抑制作用に対する研究を蓄積。「バリルチロシン」を配合したトクホや機能性表示食品を販売している。原料は、国内のみならず、韓国・東南アジア、米国への輸出量も拡大している。中温は廃棄されていた栗の渋皮から抽出した『栗渋ポリフェノール』を開発。食後血糖値抑制のエビデンスを有する機能性素材として提案している。
現在、四国地方における機能性表示食品の受理数は102品で、昨年の75品から大幅に増加した。地場資源を活用した機能性表示食品の開発も活発化している。ナスやミカン、オリーブなど生鮮食品が多いのも四国地方の特徴といえる。四国地方では、機能性表示食品の地域版とも言える民間制度「四国健康支援食品制度(ヘルシー・フォー)」の活用にも期待が掛かる。4県をまとめる四国産業・技術振興センターが主体となり、食品表示に関する広域民間認証制度として2017年にスタート。食品の安全性・機能性の科学的根拠を表示できる四国地方独自の認証制度で、会員数は50社。四国企業の販路開拓や会員間の情報交換を進めている。
機能性表示食品やトクホ取得の前段階としてヘルシー・フォーを利用する企業も見られ、これまでに合計12社・13品目がヘルシー・フォー認証食品として販売されている。同認証制度が地元のメディアに取り上げられ、売上が倍以上伸長したという企業も見られる。認証製品は、生鮮や一般食品が多く、健康機能に加え、美味しさや安全性を重視する企業も多い。つづく
詳しくは健康産業新聞1774号(2023.10.18)で
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