特集【北海道】 道産ブランド+健康素材、チャンス到来
食の宝庫と言われる北海道。特徴的な気候・風土から多彩な農産物、海産物が流通する。ヘルスケア分野では、タマネギ、ジャガイモ、アスパラガス、大麦若葉、クマ笹、シソ、ワサビ、タモギタケ、甜菜、カボチャ、ライラック由来有胞子性乳酸菌、行者ニンニク、ビーツ、霊芝、アガリクス、核酸、プロテオグリカン、エイ由来コンドロイチン、サケ腸管由来乳酸菌、ガゴメコンブ―― など、農産物、水産物、畜産物由来の特色ある機能性素材が食品、健康食品、化粧品に利用されている。他府県に比べ、供給量の心配が少なく、安定供給できる点も大きな強み。また、産学官が連携し、食の付加価値化を推進。食品や医薬品関連の研究施設が多く、中小企業にとって機能性素材・商材を生み出すサポート体制が充実している。
北海道情報大学では、食の臨床試験システム「江別モデル」プロジェクトを推進。同モデルは、地域住民ボランティアが被験者となり臨床試験を実施するというもの。ボランティア被験者登録数は1万4,000人を超え、実施臨床数は約150件にのぼる。北海道のみならず全国からの試験依頼に対応する。9月からは農業・食品産業技術総合研究機構、江別市、島津製作所らと共同でコホート研究を開始。約1,200人の江別市民を対象に、10年間継続して食と認知機能の関係性について研究調査を行う。産学官によるアルツハイマー型認知症の発症因子における大規模な調査研究は国内で初になるという。
北海道では全国初となる独自の食品機能性表示制度「ヘルシーDo」が2013年からスタートしている。「健康でいられる体づくりに関する科学的な研究」が行われた道産の機能性素材を含む食品を道庁が認定する制度で、累計認定商品は155品。サプリメント、飲料、スムージー、ヨーグルト、スープ、チョコ、アイス、クッキー、パン―― など、様々な商品形態が流通する。リピート商品も増え、累計売上額は338億円になった。また、制度の認定対象に「生鮮食品」が加わり、道産パプリカが認定商品になると同時に、GABAを機能性関与成分に機能性表示食品としても受理され、ダブル表示品となった。新たな取り組みでは、昨年から道内事業者を対象に「ヘルシーDo創造塾」を開講。北海道経済部食関連産業局では、「受講者からヘルシーDoの申請があるなど、良い効果が出ている。今年も定員以上の募集がある。商品開発・販路拡大と共に、人材育成に繋げたい」と話す。つづく
詳しくは健康産業新聞1772号(2023.9.20)で
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