「消費者庁 24年度概算要求」 保健機能食品で新たな調査研究も

 消費者庁が8月30日に公表した2024年度の予算概算要求額は、一般会計が170億円で、今年度予算比37.4%増となった。来年度、厚生労働省から食品衛生基準行政が移管されることなどに伴い、大幅な増額に。機構要求では、「食品衛生基準課」の設置などを盛り込んだ。食品の安全性確保に関する研究の推進では、新たに、保健機能食品に関する調査研究に着手する方針を示した。また、疾病リスク低減特保の拡充に伴い、特保に関する体制を強化。表示対策では、引き続きデジタル広告の不当表示への対応を強化する。

 

 概算要求に盛り込まれた来年度の取り組みの柱は、①消費者を取り巻く取引環境の変化への対応、②消費生活相談のサービス向上への体制再構築、③消費者市民社会の実現に向けた取組の推進、④食品関係政策の総合的な推進、⑤消費者政策の推進に必要な基盤の整備―― の5つ。①では、消費者法制度の再編・拡充に向けた具体的検討を行う。また、多様化・複雑化する消費者問題への対応として、「日EU消費者政策協議(仮)」を立ち上げ、国際的な連携強化に取り組むとした。また引き続き、デジタル広告不当表示に対し、監視・調査体制を強化。新規予算として「不当表示の未然防止活動のための事業関連経費」に0.5億円を計上、不当表示の実態調査や、事業者等への研修を拡充する。④では、食品衛生基準行政の機能を強化。現在厚労省が所管している食品添加物指定等の「食品衛生基準行政」は、2024年4月1日に消費者庁に移管される見直し。これに伴う関連予算も移管、「食品衛生規格基準の企画立案に関する調査・分析」に18.5億円を計上した。

 

 また、「保健機能食品の在り方に関する調査研究」を新たに開始。国内外の情報を収集し、社会環境の変化や、科学技術の進歩などを踏まえて、課題を整理して検証し、「制度発展に資する調査研究を行う」(食品表示企画課)としている。厚労省の厚生労働科学研究と同じような仕組みで、複数年での研究を想定しているという。このほか、時代に即した食品表示への対応のための調査・検討に、新規予算として0.2億円を計上。来年4月に移管される食品衛生に関する規格基準との整合を踏まえて、わかりやすい食品表示制度に向けた検討を加速させる。つづく

 

 

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