特集【胃腸サポート食品】 5割超が「胃の不調」、サポート素材続々
胃腸は毎日大量の食物を消化吸収することから、様々なトラブルが生じやすい臓器だ。ストレスや過労が胃粘膜の急性炎症を引き起こすほか、感染性胃腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因になることもわかっている。胃腸の状態が健康のバロメーターになっていると言っても過言ではない。一方で、何らかの胃腸のトラブルを抱える人は多く、「2022年国民生活基礎調査」によると、「胃のもたれ・むねやけ」の自覚症状がある有訴者数は人口千人当たり22.2で、女性は男性(17.9)より高く26.2だった。
マーケティング調査などを手掛けるヒューマン・データ・ラボラトリが、昨年10月に男女2,000人を対象に実施した調査では、51.0%の人が「胃の不調を感じている」と回答し、前回調査から5.2ポイント増えた。年代別でみると、男女ともに20、30代の割合が高く、若い世代で胃の不調を感じている傾向がみられた。また、胃の不調を感じている人の76.7%がストレスを感じていた。予防対策では、「食べ過ぎない」「食物繊維をとる」「乳酸菌をとる」「十分な睡眠をとる」といった回答が目立った。一方で、通院や検査を行っている人は27.8%で3割未満だった。
胃の働きをサポートする食品素材は、霊芝、カバノアナタケといったキノコ類や、ガジュツ、梅肉、フコイダン、マヌカハニー、アロエ、ヨモギなど、伝承的に利用されてきたものが多い。ピロリ菌に着目した提案も目立つ。ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌で、胃炎などの疾病に深く関与している。慢性的な炎症によって、十二指腸潰瘍や、胃潰瘍、胃がんなどを引き起こすともいわれる。最近では、理化学研究所・愛知県がんセンター研究所らの研究グループが、胃がんに関係する遺伝子に変異を持つ人は、ピロリ菌感染による胃がんリスクが高まることを解明している。こうした中、未病領域において健康食品の利用が進む。中国をはじめ、アジア地域は特に胃がんの発症率が高く、海外からも注目度が上昇している。つづく
詳しくは健康産業新聞1768号(2023.7.19)で
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