【話題追跡】 届出企業の士気を”グーンと”下げた措置命令

 消費者庁は7月3日付で今回の措置命令を踏まえ、機能性表示食品として届出した食品の科学的根拠の再検証等について都道府県や保健所、関連団体等に通達した。今回の措置命令により、一定の愛用者を獲得している機能性表示食品が消えた。2015年スタートの機能性表示食品は、事業者責任のもとに6,000品目を超える規模に拡大している。今回の措置対象成分のひとつであるDHA・EPAは、スタート当初から受理された関与成分として長年の流通実績がある。

 

 消費者庁によると、今回、はみ出し表示として指摘した「血圧をグーンと下げる」(モノグルコシルヘスペリジン)に対し、景表法7条第2項の規定に基づく「当該表示の裏付け」としてSRを要求したものであり「前提として、各原料のSRの根拠が弱いという話ではなく、今回の該当商品が3素材配合でその効果があるかを精査したもの」(表示対策課)としている。だが、それは機能性表示食品の届出作業そのものであり、そもそも当該商品の届出の段階で、事業者に指摘するのが、景品規制の概要である「一般消費者の利益を保護するとともに景品による不健全な競争を防止する」ことではないのか。結果として消費者庁自ら確認したSRの根拠不十分を公にしたことは、事業者責任を背負いながら数々の差し戻しに応えている全ての機能性表示食品関連事業者に対し、届出受理体制の脆弱性を曝露したようにも見える。つづく

 

 

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