特集【カロテノイド】 豊富な機能性、美容・睡眠・抗疲労に利用拡大
カロテノイドとは、抗酸化や抗紫外線を目的に、動物や植物に存在する黄、橙赤、赤色などの天然色素の総称で、これまでの研究で約700種類以上が見つかっている。カロテノイドは食品業界では着色用の食品添加物として広く利用され、製菓、製パン、麺、飲料などに用いられてきた。健康食品の分野では、血中に存在する主要なカロテノイドであるリコピン、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチンのほか、アスタキサンチン、フコキサンリン、クロセチン等、様々な素材を配合したサプリメントが上市されている。
健食業界で定番のカロテノイドとしては、ルテインが挙げられる。インテージ社の『市場実態把握レポート2022年度版』によると、昨年度の市場規模は270億円(前年度比18.4%増)。ルテインの健康食品原料は、マリーゴールドの花弁から抽出されたものが中心で、ゼアキサンチンと組み合わせてアイケア用途で利用されるケースが大半を占めている。眼の健康を訴求する機能性表示食品のうちルテインが用いられている製品は、概算で7割以上となっている。
ルテインのアイケア用途への需要は高まり続けている。最終製品では、ファンケルの『えんきん』が2015年の発売以降売上を伸長し、2023年は3 Q時点では前年並みに推移。「デジタルデバイスが生活の中心に大きくシフトした現代人にとってアイケアニーズはますます重要視される」としている。『ロートV5a』等を販売するロート製薬は、「ドラッグストア・通販共に伸長。特に通販の伸長率が高い」としている。
アスタキサンチンを関与成分とする機能性表示食品は146品で、1年間で33品増加した。アイケア以外に、肌の潤い、疲労、認知機能に対し届出を行う製品が増えてきた。「ストレス緩和」は新規のヘルスクレームとして昨年受理された。近年の研究では、運動機能向上や、運動によって引き起こされる「スポーツ貧血」の予防効果も明らかになり、スポーツ向け用途の拡大も今後期待される。つづく
詳しくは健康産業新聞1766号(2023.6.21)で
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