【インタビュー】 ファンクショナルフード学会 特命理事 長岡功氏

 グルコサミンの市場形成初期に発足した業界団体「グルコサミン研究会」。2015年に名称を「ファンクショナルフード学会」に変更。2019年には、正式な学術学会として日本学術会議学術研究団体に認められた。グルコサミンをはじめとする様々な機能性食品素材に関する研究、情報交換、啓発活動を行っている。来年20周年を迎える中、同学会特命理事(前理事長)で、順天堂大学保健医療学部特任教授を努める長岡功氏に、学会活動や、グルコサミンの魅力や新たな健康機能などついて話を聞いた。

 

──現在のファンクショナルフード学会の活動内容について

長岡氏 ファンクショナルフード学会では、学術集会や研究会を定期的に開催しています。グルコサミンでは、これまでに軟骨保護作用や抗炎症作用をはじめ、血管内皮保護作用、動脈硬化抑制作用、血小板凝集抑制作用、ヒアルロン酸産生作用―― など、様々な研究成果が報告されました。ファンクショナルフード学会になってからは、食品産業に関わる事業者や研究者が参画し、グルコサミンのみならず、関連素材、領域における研究報告が増えました。新しい発見や新しい発想が生まれ、交流の場も増え、多くの情報が集まり学会の発展に繋がりました。個々の研究の質も向上したと思います。学会の運営維持については賛助会員のバックアップが大きいです。現在の賛助会員は23社です。

 

 今年1月に、愛知県名古屋市で第19回学術集会を開催しました。ハイブリット式で行い、現地、オンライン合わせて約100人が参加しました。会場に足を運んで頂いた人の方が多く、質疑応答ではいつも以上に質問や意見が出るなど、活発な議論が交わされました。対面式の重要性を再認識しました。来年は20周年を迎えるにあたって、グルコサミン研究の発祥の地でもある鳥取県での開催を検討しています。

 

──グルコサミンの機能性表示食品の状況について

長岡氏 「関節」「肌」分野で100品以上の機能性表示食品が受理されています。国の制度のもと、グルコサミンの健康機能が一般消費者はもちろん、医療関係者の方々にも受入れられるようになってきたことは大きいと考えます。そして、学会が何らかの形で貢献できたことは嬉しい限りです。この1年は、摂取量が少量で済むことや味が良いといった特長を持つN-アセチルグルコサミンの受理が多いようです。グルコサミン、N-アセチルグルコサミンのどちらが良い悪いということでなく、それぞれの特性を最大限に活かせれば、産業全体の活性化になるので、さらなる発展に期待したいです。またトクホ制度では、疾病リスク低減表示で新たな表示許可申請がされています。グルコサミンでは、変形性膝関節症に対する研究報告が多数あります。今後の動向に注視していきたいと思います。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1762号(2023.4.19)で
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