ZOOM UP【大麦】 大麦のアラビノキシランに新知見

 腸の中で発酵する発酵性食物繊維が注目を集め出した。昨今ではテレビや雑誌などで紹介される機会も。情報番組「ひるおび」(TBS)では3月3日、腸活をテーマに発酵性食物繊維を紹介。京都府立医科大学大学院医学研究科・生体免疫栄養学教授の内藤裕二氏は、「腸内環境を整えるには、お腹の中で発酵を起こす発酵性の食物繊維が一番重要」と説明。善玉菌のエサになることで、生活習慣病予防などが期待できるとした。発酵性食物繊維を多く含む食品(100g当たり)は、もち麦(10.9g)、押し麦(8.1g)、オートミール(3.2g)、小麦粉全粒粉(4.6g)、玄米ご飯(1.1g)、ニンジン(0.7g)、ブロッコリー(0.9g)など。発酵性食物繊維をたくさん摂取できるのが穀物で、その二大穀物は「もち麦」「小麦ブランシリアル」とした。番組内で内藤教授は、日本人の食物繊維摂取量が不足していることに言及、「世界では1日に24g以上を目指しているものの、日本人は世界の基準に全く到達していない」と述べた。

 

 大麦の腸内での働きはβ-グルカンだけでなく、アラビノキシランも寄与しているとする研究成果が昨年12月に発表された。大妻女子大学教授の青江誠一郎氏とはくばくの共同研究によるもの。大麦に含まれる水溶性食物繊維“アラビノキシン”が血糖値調整の働きをもつGLP-1の分泌促進に作用することをマウス試験で明らかにした。また、大麦摂取がⅡ型糖尿業患者の血糖値の上昇を抑制したとする研究成果が、科学雑誌『Diabetology International』に掲載された。食事療法の選択肢の可能性を示唆するものとして注目を集めた。「糖尿病治療薬のメトホルミンを服用している糖尿病患者において食後血糖値が抑制されたほか、糖尿病治療薬(アカルボース)の服用患者でも同様の傾向がみられた」としている。つづく

 

 

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