水素ガス吸入の川崎病への有用性など、台湾からの報告も
国際水素医科学研究会による第3回「最新水素研究2023」が3月5日、東京大学伊藤謝恩ホールとオンラインで同時開催され、医師など関係者約200人が参加した。今回は日台共同開催として、台湾からも2人の研究者が招聘された。長庚大学教授の郭和昌氏は、「台湾における水素分子の臨床研究」と題し講演。台湾でも2020年7月4日に分子水素推進協会(TAPMH)が設立され、これまでに川崎病をはじめ、COPD、アトピー性皮膚炎、突発性難聴、肺がん――など、10件を超える臨床研究の治験証明書が承認されたことを紹介。また、郭氏の研究チームが実施した試験では、水素ガス吸入による補助療法下で、川崎病患者の動脈瘤が完全退縮し、他の合併症が見つからなかったという研究成果を論文発表したことを報告した。
義守大学医学部内科教授の黄明賢氏は、「標的薬物によって誘発された肺腺癌患者の皮膚副作用に対する分子状水素ガス吸入の影響」と題し、進行肺腺癌患者27人を対象に、水素ガス吸入補助療法下での上皮成長因子受容体(EGFR)標的薬の皮膚炎症および血中炎症指標の評価を調査した結果、水素ガス吸入は安全でかつ、EGFR-TKI誘発性丘疹膿疱性発症が有意に減少するなど、皮膚毒性に関連する標的薬物を有する肺腺癌患者に有益であり、酸化的損傷および炎症を軽減する可能性が示唆された研究成果を報告した。
同研究会理事長で、くまもと免疫統合医療クリニック院長の赤木純児氏は、「免疫療法で手術が不要になる時代の到来?」と題し、オプジーボと低容量化学療法、水素ガス吸入、ハイパーサーミアの複合免疫治療(AKAGI Methods)を用いることで、ステージ4の末期がん治療に加えて、手術可能な症例に対しても有効性が認められた症例を複数紹介した。つづく
詳しくは健康産業新聞1761号(2023.4.5)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら