新年特別号【特保/機能性表示食品】 機能性表示5,500品突破、参入相次ぐ

◆特保制度「抜本改革が必要」

 2017年以降、年間の特保表示許可件数は50品を下回る。昨年は11品に留まった。22年12月20日時点の許可・承認数は1,062品となっている。消費者庁は昨夏に「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正を公表。カルシウムと葉酸の疾病リスク低減表示に関して、語尾の「かもしれません」表示を「可能性があります」表示に変更した。また、「う蝕に係る疾病リスク低減表示」の申請を行うための考えを提示。「申請食品は、発酵性糖質を含まず、主に間食として利用される食品であること」など、申請のための考え方を示した。規格基準型特保では、「難消化性デキストリン」を対象に、複数の保健の用途を表示することができる区分を新設した。しかし事業者の受け止めは厳しい。「疾病リスク低減特保は、対象関与成分をもっと増やさないと市場活性には繋がらない」「運用30年を過ぎた特保制度の抜本的な改革が必要」などの意見も聞かれる。

 

◆「睡眠系」機能性表示が浸透

 機能性表示食品は2022年度に入り、受理ペースが前年同期を下回っているものの、新規参入は活発で、22年12月19日時点での総届出者数は1,370となっている。取り下げを除く累計受理数は5,569品。前年の同時期から約1,200品増えた。機能性関与成分のトップは引き続き「GABA」。単独配合のみで582品が受理されており、「GABA+リコピン」「GABA+難消化性デキストリン」といった組み合わせ配合を加えると、GABAの受理は730品を超えている。2位は「難消化性デキストリン」、3位は「DHA・EPA」、4位は「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」、5位は「イチョウ葉」。

 

 2022年はヤクルト本社の機能性表示食品『Yakult1000』が大ヒット。「ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)のトップ10に選ばれた。 睡眠系の機能性表示食品は、味の素の『グリナ』、アサヒグループ食品の『ネナイト』、ハウスウェルネスフーズの『ネルノダ』ほか、多数の商品が市場に浸透。新商品では、森永乳業が9月13日に発売した『睡眠改善』の出荷本数が、発売から2ヵ月の段階で、計画比約2倍となる250万本を突破。日清ヨークが9月26日に発売した睡眠・疲労・整腸対応の『ピルクル ミラクルケア』は1ヵ月で累計出荷数1,200万本を突破した。受理された睡眠系の機能性表示食品は400品を超え、今勢いのあるカテゴリーのひとつとなっている。つづく

 

 

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