特集【ヒアルロン酸Na】 withコロナで肌ケアニーズが拡大、海外需要旺盛に
第8波の到来で依然収束が見えない新型コロナウイルスのまん延。コロナ禍も早3年目を迎え、人々の生活様式は一変した。その代表格がマスクの常用だ。化粧品や健康食品の開発販売を行うセプテム総研が実施したインターネット調査では、「マスクを着用することで肌状態に変化はあった?」の質問に、半数近くとなる47.5%が「悪くなった」と回答。同調査は、20歳以上の女性(1,743人)を対象に、マスク着用による肌状態の変化について聞いたもので、普通肌と自覚する人では36.1%が「悪くなった」と回答したのに対し、乾燥肌や油脂肌、混合肌と自覚する人では6割近くに及ぶ57.9%が「悪くなった」と回答。肌タイプによりトラブルの進行に変化がみられることがわかった。
また、具体的な肌の悩みについては、「ニキビ・吹き出物ができる」が20~50代でトップ。次いで多かったのは「かゆみ」だった。こうした状況は日本のみならず海外も同様で、コロナによる肌トラブルを指す新たな言葉も登場。それが「マスクネ」「アクネ・メカニカ」だ。「マスクネ」は、マスクと、ニキビの原因菌のひとつアクネ菌を掛け合わせた造語。「アクネ・メカニカ」は、過度な熱や摩擦によって引き起こされるニキビを指す。皮膚科専門医の慶田朋子氏によると、「マスク着用により肌が擦れて炎症が起こり、肌のバリア機能が低下する。外的刺激から肌を守り、肌の水分をキープする働きが失われ、吹き出物ができやすくなる」と指摘する。
こうした状況を改善するために重要なのが、肌バリア機能をいかに維持するかという点。肌バリア機能の維持には、「肌に過剰な刺激を与えない」「保湿対策」「紫外線対策」などが挙げられるが、なかでも「保湿対策」の重要性が広く認知されるようになってきた。抜群の保湿作用で医薬品・化粧品・健康食品と幅広く応用されるヒアルロン酸。サプリメントでは古くから美容商品へ採用されており、コラーゲンと並ぶ美容素材の代表格として君臨している。機能性表示食品として「肌の保湿」をテーマに、2015年にキユーピーがいち早く受理すると、以降受理品は増加。現在、ヒアルロン酸Naを関与成分とした受理数は85品を数える(昨年12月22日時点)。ここ数年受理品の増加率は緩やかながらも「新たに機能性表示食品の届出を検討した企業からの問合せも多い」(原料メーカー)など、マスクトラブル対策などを引き合いに再び脚光を浴びつつあるようだ。
一方、化粧品用途ではコロナにより激減したスキンケアニーズが、一昨年辺りから回復基調に。もともと安定したニーズがあるだけに回復も速く、順調な供給をみせている。昨年12月に本紙が実施した化粧品受託企業へのアンケート調査では下半期の人気素材ランキングで4位に。幹細胞やCICAなど流行りの素材がある中で、存在感を示した。つづく
詳しくは健康産業新聞1755号(2023.1.4)で
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