特集【兵庫県】　“ものづくり”“多彩な農林水産物”、ヘルスケア分野で実力発揮

　兵庫県は、歴史や風土、産業などの違いから、摂津(神戸・阪神)、播磨、但馬、丹波、淡路の5つに分けられ、重工業や醸造業、食品加工業、農林水産業など様々な産業が発展してきた。製造業の出荷額は5位で、“ものづくり県”として知られる。技術力に優れる製造事業者が多く、日本盛、大関、白鶴、白鹿など名だたる清酒メーカーが集積するほか、醤油メーカーも多く地場産業として栄えている。こうした背景から、独自のノウハウを生かした発酵技術などをベースに健康食品や化粧品の製造・販売を手掛ける事業者も目立つ。

　姫路市に本社を構えるヤヱガキ醗酵技研は、清酒発酵技術を応用した麹、酒粕関連素材を供給する。また、紅麹菌を培養して得られた紅麹色素をはじめ、400種類以上の天然系着色料を保有。液体・粉末と豊富な品揃えが支持され、健食向けに利用が進む。姫路市はにかわ(膠)製造が盛んだったこともあり、ゼラチン・コラーゲンの製造を手掛ける事業者が点在する。明治17年創業の旭陽化学工業は、原料調達、原料種類の選定から最終工程まで国内唯一の一貫生産体制を構築。昨年は「ひょうごオンリーワン企業」に認定されている。

　また、日本の縮図とも形容される兵庫県は、県土から生まれた農産物、海の恵みである水産物が豊富で、酒米、黒大豆、シラス、ホタルイカは全国生産量1位を誇る。タマネギ、イチジク、ビワ、ベニズワイガニ、養殖ノリなども全国トップクラスに。県では、農林水産物を活用した創造的な新商品開発などを支援する「アグリビジネス創出支援プロジェクト」を推進。今年度は、「丹波黒豆の高ポリフェノール含有に着目した簡易摂取型食品の開発」「食用大麦需要創造プロジェクト」「動物性脂質の有効利用に向けた畜産副産物のフードバリューチェーンの構築」などが採択されており、付加価値商材の創出と共に、地域ブランドの育成を図る。このほか、県産農林水産物及びこれらを主原料とした加工食品を対象に「兵庫県認証食品」制度を実施しているほか、「県版HACCP」認定制度に取り組んでいる。つづく

詳しくは健康産業新聞1752号(2022.11.16)で
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