特集【プラセンタ】 フェムケア切り口に、市場拡大

 プラセンタサプリの主な販売チャネルは、通販、DgS、百貨店、クリニック、エステサロンなど。コロナ以前は、インバウンド需要から店頭ルートが活況だったが、現在はEコマースの売上ボリュームが拡大。海外への輸出や越境ECも伸長している。本紙の調査に基づく、2021年のプラセンタサプリの市場規模は250億円(前年比8.6%増)と見られる。今年はコロナの収束傾向から、DgSや百貨店などの販促も徐々に回復しているが、バイヤーからは「今年の出荷量は昨対比で1割減。DgSや量販店は全体的に減少傾向にある」「インバウンドの回復が見込めず、コロナ以前の状況には程遠い」など厳しい声もまだまだ多い。

 

 一方、ECはコロナで巣ごもり美容が定着したこともあり好調をキープ。『プラセンタつぶ』(協和)、『プラセンタ100』(銀座ステファニー化粧品)など定番ブランドも堅調な売上を見せる。また、海外では、プラセンタ高配合の美容ドリンク、プラセンタとNMNを組み合わせた美容サプリの人気が高まっており東南アジア向けの輸出、越境EC等で売上が伸長している。商品剤形はカプセル、ドリンク、ゼリー、パウダー、グミなど様々だ。ポピュラーなのはカプセル品だが、臭いや風味を改善した原料が増えたことで、ドリンクやゼリー等も増加。飲料受託メーカーからは、「国内でプラセンタ等配合の美容ドリンクの需要が回復している」「ベトナムへの輸出が伸びており、コラーゲンとの差別化でプラセンタの配合依頼も増えている」などの声が聞かれている。

 

 プラセンタには様々な栄養成分が含まれることから、美肌効果のほかに、免疫賦活、疲労回復、肝機能改善、自立神経調整、睡眠質改善など用途の幅は広い。機能性表示食品では、「肌の保湿力(バリア機能)を保持する」旨のヘルスクレームが受理されているほか、メンタルヘルス領域で届出を目指す動きも。また、ホルスの『発酵熟成プラセンタエキス末』のように、韓国で抗疲労効果が謳える健康機能食品に認定される原料もある。

 

 また、女性特有の悩みをサポートする“フェムケア”関連の研究も進展。 スノーデンは、軽微な更年期症状を持つ女性50人を対象とする臨床試験で、簡略更年期指数の有意な減少を確認。佳秀工業では、成人女性40人対象の試験で、イライラ、不安感、抑うつ、意欲低下など女性の更年期症状の改善作用を確認した。業界では今年、フェムケア製品の提案が活発化した。10月の「食品開発展」でもフェムテック関連の製品提案が見られ、更年期症状の改善、美白・美肌に豊富なエビデンスを持つプラセンタに期待する声は少なくない。実際にフェムケアを押し出す美容ブランドで、プラセンタ製品を採用する動きも見られる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1752号(2022.11.16)で
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