特集【水素】 調査データ解説
◆増収企業は2割減少、外的要因響く
2022年通期の経営状況について「良かった」との回答は25.7%となり、昨年調査よりも6.3ポイント減少した。増収を達成した企業も34.3%で約2割減少した。増収企業の内、2ケタ増収を達成した企業は66.7%となり、昨年調査より微減にとどまった。一方、減収企業は28.6%で、約1割増加した。コロナ禍の販売不振を挙げる企業も見られたが、中国のロックダウンに伴う部品調達の遅れ(機器メーカー)、大手メーカー2社の自主回収に伴うハードカプセル不足(サプリメーカー)など、外的要因を挙げる企業が多く見られた。
◆医療機関や治療院など、メディカル分野への進出が加速
水素商材の原料供給、卸売・直販、OEM先を複数回答で聞いた結果、「メーカー・商社」では、昨年3位の化粧品がトップに。昨年トップの健康食品は2位となった。原料サプライヤーの話では、水素入浴料やヘアトリートメントなどの売れ行きが順調なことから、化粧品向けの原料が伸びているとのコメントが聞かれた。「流通・小売」では、昨年調査と同様、通販がトップとなった。通販には自社サイトが多く含まれるため、得票数の多さと売上高とは必ずしも比例していない。次いで訪販、ネットワーク販売、宣講販と、無店舗販売が上位を占めた。今年夏以降は、無店舗の対面販売ルートでの販売活動の再開が見られる。「施設」では、昨年2位の医療機関がトップに。2位には治療院・施術院、エステサロンが並んだ。業務用の水素吸入器や水素サプリメントなど、医療機関や治療院向け商材の売れ行きが伸びていることを裏付ける結果となっている。このほか、水素ヘアトリートメントの卸・OEM供給先として、理美容室も、昨年の6 位から4 位にランクを上げている。
◆海外展開、コロナ禍で企業間の二極化が顕著化
海外輸出実績について聞いた調査では、「輸出実績がある」との回答は、昨年調査より約15ポイント減の37.1%。3年連続で大幅に減少した。コロナ禍の影響が大きい。輸出実績のある国については、今期もトップは中国(香港含む)だったが、中国のゼロコロナ政策を受け、動きが鈍っている様子がうかがえた。一方で、昨秋に海外事業部を設置したアクアバンクでは、東南アジアやアメリカ向けの輸出売上が前年同期比400%と伸長、TAANEではアメリカ向けの輸出が回復、フラックスでも欧州への輸出が伸びているとのコメントが聞かれた。海外展開に積極的なメーカーとそうでないメーカーの二極化が顕著化している。つづく
詳しくは健康産業新聞1752号(2022.11.16)で
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