特集【スポーツニュートリション】 健康と美容求め、成長続くスポーツサプリ

 スポーツニュートリション市場は急成長を続け、1,100億円市場を超える勢いだ。スポーツ庁の調査によると、週1日以上スポーツを行う人は56.4%と、3年間高水準で推移。その内、スポーツを行う理由を「健康のため」と回答した人は76.2%に上り、スポーツ愛好家以外にも、健康維持を目的に軽運動を行う人や、健康美を望む女性、アクティブシニアなど、スポーツ実施者は広がりを見せている。特にプロテインの人気は幅広い世代で高まり、市場は2019年より2ケタ成長を続ける。また、従来の機能性原料を新たなエビデンスに基づいて、スポーツ向けに提案を行う動きや、新素材の提案も一層活発化している。

 

 プロテイン市場は、2021年は930億円と、前年の817億円から13.8%増の成長となった(富士経済調べ)。2018年の456億円から2ケタ成長を続けている。『SAVAS』ブランドを展開する明治の担当者は、「2022年のプロテイン販売額は、粉末は微増だが、飲料は2ケタ増を予想。粉末は新規参入する企業が多く、購入先が分散したのではないか」としている。また、『ディアナチュラ アクティブ』シリーズを展開するアサヒグループ食品の担当者によると、20〜40代を中心に利用が進み、「自社調査によると運動時と合わせて、朝食時に多く利用されている」という。『in』シリーズを展開する森永製菓の担当者は、シリーズの「2022年4 月から2023年3 月期売上は、前年比4.9%増を見込む」という。パウチゼリーは、コロナ禍で売上が低下したが、現在ではスポーツ競技が再開されることが増え、「『inゼリー』ブランドはV 字回復を遂げた」という。

 

 プロテインは、ライトユーザー層の利用が増加し続けている。コロナ禍となって以降は、在宅ワークの普及や外出機会の減少から、運動不足解消やダイエット目的で運動とサプリメント摂取を新たに取り入れる人が増加し、利用者の年代も拡がる。積極的に運動に取り組む「アクティブシニア」が増加し、厚労省の報告書によると2015年の2,777万人から2020年には2,887万人へと100万人以上増加している。販売メーカー担当者からは「サプリ利用を継続して貰うためには、利用しやすい形態、続けやすい味、継続的な情報発信や啓発が大切だ」という声が聞かれた。販売チャネルの動向としては、「小規模ブランドにもチャンスの大きいYouTubeやSNSでの販売に力を入れている」というブランドがあった。一方、ドン・キホーテはじめ、バラエティショップや家電量販店での販売が大幅に伸びていると回答するブランドも複数あり、販売チャネルは多様化が進んでいる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1752号(2022.11.16)で
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