【話題追跡】 日本医師会、健食対策で報告書 特定グループ毎に適正摂取啓発へ
日本医師会は6月、「2020年度・2021年度健康食品安全対策員会報告書」をまとめた。コロナ禍で高まる健康意識を背景に、健康食品に関する情報が氾濫し、医療機関でも患者相談でサプリと医薬品の飲み合わせなど様々な問い合わせが寄せられている。こうした実態を背景に、前期にプロジェクト委員会として新たに立ち上げた健康食品安全委員会では、昨年1月から今年の6月まで6回にわたって健康食品に関する議論を実施。日本医師会が医療側における健食対策について出した内容は?
日本医師会健康食品安全対策員会の報告書では冒頭、「もはや1兆5,000億円ともいわれる健康食品市場の中で、医療者は、多くの国民が常に何らかの健康食品を摂取しているとの考えに立って、自らが健康食品に対するしっかりとしたリテラシーを持つことが必須条件」と示された。目標として「命に係わる危険な健康食品被害を見逃さないシステムを作る」「患者が使っている健康食品を必ず医師や薬剤師が情報共有できる仕組みを作る」などを掲げ、主に、①健康食品安全情報システム事業の運営を通じた情報発信、②コロナ禍における医療・健康情報の氾濫を踏まえた国民のヘルスリテラシーの向上策――の2点について議論を重ね、今回報告書にまとめた。
①では、「問診票に健康食品の摂取状況の項目を設けること、入院時に健康食品の摂取の有無等を聞き取る取り組みの定着化を働きかけることが重要」などとしている。「トクホの“中性脂肪”“コレステロール”“血糖”を下げるといった効果を評価するためには医療機関で測定しないと分からない」などに触れ、「かかりつけ医とうまく付き合いながら効果の評価実施について呼びかけが重要」としている。また、実際に健食による被害が疑われる事例が発生した時、「該当患者が、何を、どうやって、どのくらい摂取したかの記録がなければ、原因究明が極めて困難」であり、「患者から相談を受けてもその検証を行うツールがない」ことから、日本医師会では摂取日・食品名・体調の記録を提案。なお、日本薬剤師会ではWEBサイトでの呼びかけを行っている。つづく
詳しくは健康産業新聞1750号(2022.10.19)で
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