【話題追跡】 中国Eコマース市場、成長に陰り

 中国のネット通販の雄、アリババ集団。米アマゾンに匹敵する売上規模を誇り、世界有数のECプラットフォーム企業である同社だが、コロナ禍で辛酸を舐めている。都市封鎖による物流停滞、中国規制当局による独占禁止法違反の認定などが影響し、8月12日に発表した22年第2Q(4〜6月)の売上高は、前年比0.1%減の約4.1兆円。2014年の上場後初のマイナス成長となった。22年上半期(1〜6月)のグループ営業利益も、同1.1%減となる約9,230億円と前年を割り込んだ。一方、ライバルの京東集団も苦境にある。『JD.com』最大の販促セールである「618商戦」の流通総額は、前年比10.3%増の約7.6兆円と増加したが、伸び率は前年同期の27.7%から大幅に鈍化し過去最低に。アリババの「独身の日セール」と並ぶ京東集団の看板セールとしては、物足りない結果だった。

 

 こうした中、両者ともに力を入れるのが、海外ヘルスケアブランドの誘致。アリババでは7月に『天猫国際』の新プロジェクトとして、善玉菌商品に関するグローバルサプライチェーンを発足。乳酸菌、納豆菌、酵母などを取扱う20以上の海外ブランドと連携し、3年間以内に1,000以上の新商品を展開する計画を打ち出す。「618商戦」では、花王、小林製薬、ドクターシーラボ、資生堂、明治など日本のヘルスケア企業の出品が数多く見られ、国地域別の海外ブランド売上ランキングでは日本が1位となった。健食・サプリ分野の売れ筋素材は、プロテイン、コラーゲン、乳酸菌、DHA・EPA、葉酸など。訴求カテゴリーでは、中高年はロコモ、免疫賦活、若年層はエイジングケア、美容、ダイエット。また、年代問わず腸内フローラへの興味・関心は大きく、サプリだけでなくグミやチョコレートなどの上市が見られる。つづく

 

 

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