夏季特別号【2022年上期総括と下期展望】 高齢層の健食支出堅調 DgSの好調持続
総務省「家計調査」によると、2人以上世帯の2022年1〜5月のサプリメント支出は前年同期比2.8%減。21年1〜5月は1.0%減で、さらにその水準を下回った。消費者は健康食品を買い控えているのか。世帯主の年齢階級別にみると、そうとは言い切れない実態が浮かび上がる。1〜5月のサプリ支出は60歳未満がマイナスとなった一方、60歳以上はプラス。年齢とともに支出が増えるこれまでの傾向に変化はなく、支出額は30歳未満が最も少なく、70歳以上が最も多くなっている。高齢者人口は年々増加している。健康へのニーズも若い世代より多く、高齢層が市場の主要ターゲットとしてますます重要になるとみられる。
若い世代の開拓にもチャンスはある。話題となっているCBDのコアユーザーは20〜30代。健康食品のネガティブキャンペーンにさらされてきた年配層と比較してサプリへの抵抗感は少なく、開拓の余地は残されている。SNSなど、若い世代に直接訴求するツールもある。消費者庁が6月に公表した消費者意向調査では、機能性表示食品を「現在摂取している」のは14.9%。その利用頻度を「毎日」と答えたのは21.9%となっている。さらに「毎日」を年齢別に見ると、男性は10代が28.0%で1位となり、2位60代の23.1%を上回っている。女性の場合10代は5.6%だが、20代が28.4%で最も多くなっている。
昨年好調だったDgSは依然伸びている。経済産業省が毎月まとめている「商業動態統計」によると、DgS販売額は、公表されている22年5月まで13ヵ月連続のプラス。店舗数も増え続けている。21年の健康食品販売額は前年比2%増の2,310億円。22年は5月までで943億円となっており、前年同期比1.7%増と堅調に推移している。外食が増える中、5月はゼリー飲料のほか「ウコン」が好調との声があったという。本紙調査では、このほか青汁やプロテイン、乳酸菌などが売れ筋になっている。
コロナで急伸したネット通販。その支出状況・利用率にも変化が生じている。総務省統計局の「家計消費状況調査」では、21年の健康食品ネット通販支出は、2人以上世帯で前年同期比14%増と伸びた。しかしコロナ直後のような急伸はみられなくなっており、22年1月は22ヵ月ぶりのマイナスに。3月、4月もマイナスとなり、1〜5月累計は前年同期比1.8%減と伸び悩んでいる。ネットショッピングの利用世帯割合も頭打ちだ。コロナ前まで4割台だった利用率はコロナ後に5割となり、欧米主要国並みの8割になることを期待する声もあったものの、その後6割を超えることはなく、今年に入ってからはほぼ横ばいで推移している。つづく
詳しくは健康産業新聞1744号 夏季特別号(2022.7.20)で
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