第39回日本微量栄養素学会学術集会、プロテアソームの最新研究など報告
日本微量栄養素学会による第39回日本微量栄養素学会学術集会が6月18日、オンラインで開催された。特別講演では、タンパク質の分解に関わる酵素複合体「プロテアソーム」発見者の1人、東京都医学総合研究所理事長の田中啓二氏が、「オートファジーとプロテアソーム」と題し、生体の恒常性維持に関与するタンパク質分解について解説。細胞内のタンパク質分解は、プロテアソーム経路とオートファジー経路に大別され、前者は分解指標となるユビキチンで修復されたタンパク質を選択的に破壊する選択的な分解系であるのに対し、後者は細胞内成分をランダムに隔離して膜小胞を形成後、リソソームと融合して内容物を消化する非選択的な分解系であると説明。
また近年になって、オートファジーの別経路として、プロテアソームで分解できないタンパク質凝集体や細胞内に侵入した細菌などを選別して処理する選択的オートファジーという現象が注目を集めており、同氏らの研究チームが成功したオートファジーによる不良ミトコンドリアの選択的除去に関与するPINK1-Parkinシステムの作動機序解明について紹介した。さらに、プロテアソームの構造や機能、病態生物学的な意義をはじめ、近年プロテアソームが液-液相分離(LLPS)により生体分子異常タンパク質の分解の場として機能していることを示唆する研究の一端にも触れた。つづく
詳しくは健康産業新聞1743号(2022.7.6)で
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