特集【スポーツニュートリション】 プロテイン、2ケタ成長続く
東京都が昨年10月に実施した「都民のスポーツ活動などに関する調査」によると、週1日以上スポーツや運動をした人の割合は69%で、前年調査より9ポイント増え、週に1日未満の割合は19%で、1ポイント減少した。実施理由は、「健康維持・体力づくりのため」(73.8%)、「運動不足解消のため」(66.2%)、「楽しみや気晴らし・気分転換のため」(57.8%)、「美容や肥満解消のため」(21.0%)などの回答がみられた。
コロナ禍においても、国民の運動・スポーツへの関心は高く、スポーツニュートリションの商品開発は活発だ。本紙が受託加工・製造事業者を対象に行っている調査でも、受注件数が伸びている商品カテゴリーで、「スポーツニュートリション」は、「美容・美肌」「免疫」「ダイエット」に続く4位にランクインしている。特にプロテインが人気で、受注素材ランクキングでは2018年から3年連続3位を獲得。昨年も4位で上位の常連に。プロテインは、乳由来や大豆由来のほか、エンドウ豆、ライス、ローヤルゼリー、サケ白子、卵白、ヘンプ、チア由来など昆虫由来プロテインや酵母プロテインなども登場している。
最終製品では、今年も明治、森永製菓、森永乳業、アサヒグループ食品、RIZAP、わかさ生活、ブルボン――など、専門メーカー以外にも様々な企業が新商品を投入。商品増加に伴い、商品形態も粉末、飲料、ヨーグルト、バー、菓子類など多様化している。主要メーカーの明治は、プロテインブランド「ザバス」(粉末品・飲料など)シリーズを展開。2021年の売上高は前年比2ケタ増を達成した。ライトユーザー向けでは、『ザバス for Womanシェイプ&ビューティ』が好調を維持。女性層獲得に大きく貢献した。アサヒグループ食品もプロテイン粉末品「ディアナチュラアクティブ」シリーズが前年比2ケタ増で推移。「昨年前半はプロテインがTV番組などで紹介され大きく動いた。その反動があるが、今年も堅調に推移している」という。
粉末品などでは、「人口甘味料・着色料・香料不使用」「グルテンフリー」「ヴィーガン」などを謳う商品や、携帯できる個包装タイプの商品もみられる。ユーザーの選択肢が広がる中、販売メーカーでは、効果的な飲用方法や、個々の食生活やライフスタイルに合った1日の摂取目開。ソフト面の充実を図っている。明治によると、2021年のプロテイン粉末品市場は600億円を突破し、「2022年は700億円台が見込まれる」と分析する。プロテインが拡大する一方で、原料の高騰が続いている。ホエイやカゼインを含む乳タンパク原料の価格はキロ当たり1,500円から2,000円前後と、この2年で約4倍上昇。原料サプライヤーからは、「これまでのような上昇率は考えづらいが、高止まりが続くのでは」「海外需要や円安進行の状況を考えると、価格が下がる要素がない」などの声が聞かれた。最終製品では価格改定が散見されており、原料価格の動向が気になるところだ。つづく
詳しくは健康産業新聞1740号(2022.5.16)で
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