2016年8月17日
【無店舗】2016上半期総括と下半期展望 大手通販、機能表示で売上増加傾向

2015年の無店舗流通の市場規模は通信販売、訪問販売、その他のルートを合わせ、8,950億円で推移。通販ルートでは機能性表示食品の売上増などが目立ち増加傾向に。今年決算を迎えた大手通販メーカーの好調が目立ち、推計で4,600億規模に到達。今期の売上見込みについては各社とも前年増を見込むなど、市場拡大に期待が高まっている。





■機能性表示食品に手応え

上場企業を中心に2016年3 月期決算を終えた企業が次々と決算開示を実施。機能性表示食品の好調などを理由に増収で着地する企業が多くみられた。機能性表示食品の代表格ともいえるファンケルの『えんきん』は昨年度の売上で35億円を記録。機能性表示食品として受理した他の商品も含め68億円に到達するなど、市場を牽引している。同社によると2017年3 月期における『えんきん』の販売計画は55億円に達するとしており、一気にスター商品にのし上がった。また、同社主力品のひとつ『カロリミット』についても機能性表示食品として先月受理。『カロリミット』が加ったことで、機能性表示食品全体で2017年3 月期は75億円の売り上げを見込む。

売上ピーク時には100億円を突破しながら売上減少が響くライオンでは、今年に入り通販事業部の組織改編で巻き返しを図る。機能性表示食品第1 号となった『ナイスリムエッセンスラクトフェリン』は、機能性表示食品制度を利用する前と比較し1.2倍の売上に増加。V字回復に向けて手応えを掴んでいる。また、森下仁丹も機能性表示食品のサプリメントシリーズ『ヘルスエイド』が好調。シリーズ売上で3 億近い増収となった。今年1月に機能性表示食品『リコピンコレステファイン』を発売したカゴメでは、今期第1 四半期の健康食品の売上が18億600万円とし、前年同期比4.2%増となったと発表した。ヒアルロン酸サプリメント『ヒアロモイスチャー』を販売するキユーピーも、5 月末時点で2 億4,000万円を売り上げており、今期の売上目標3億円を大幅に超える5 億円への到達も視野に入れている。このほか、大正製薬のヘルスケア事業でも2.3%の売上増となるなど、大手中心に増収傾向となっている。





■幅広い年齢層の利用により通販回復基調へ

昨年12月に実施した通販主要メーカーへのヒアリングでは、「消費増税による売上減少を引きずっている」とのコメントも少なくなかったが、顧客数、売上共に回復基調をみせる企業もではじめている。「定期コースの購入や新規顧客からの注文を増え始めている」とするメーカーもあり、個人消費が少しずつ活況になっているようだ。また、通販を利用する年齢層が幅広くなってきているのも拡大基調の要因のひとつとみられる。総務省が実施したネットショッピングの実態調査では、世帯主の年齢階級別にみた1ヵ月間のネット通販の利用状況で、40歳未満が46.2%で最も高く、年齢階級が高くなるにつれて低下するという結果ながら、ネット通販を利用した世帯限定でみると、1ヵ月の支出額は79歳以上が3万5,695円で最も多いという結果が出ている。ネット通販の支出総額に占める「健康食品」の割合は全体平均で3.5%。年齢階級別にみると、40歳未満が1.8%であるのに対し、70歳以上は5.3%に登るなど、高齢者の健康食品の購入が増加している。総務省では、「年齢間の購入額の差は、他の商品と比較しても健康食品が顕著」といい、高齢層の健康志向の強さがうかがわれる。増加する高齢者のネット利用によって通販チャネルにおける健康食品市場の拡大が期待されている。





■越境ECの登場で海外市場に商機

国内通販市場が拡大の兆しをみせるなか、一方で新たな販路開拓の手法として「越境EC」に視線が注がれている。越境ECは、国内メーカーが海外の消費者にインターネット通販により商品を販売するシステム。特に中国では政府公認の新しいインターネット通販のプラットフォームとして全面的に支援しており、輸入通関や販売許可申請、現地法人の開設など、通常海外展開で必須とされるプロセスを省略できる点が大きなメリットだ。国内メーカーにとっては、進出コスト抑えることができ、さらに現地モールのブランド力を使用することで、集客や信頼構築などが容易に行えることも人気の要因となっている。

経済産業省によると、中国が日本から越境EC経由で購入している額は2014年に6,000億円に達し、その伸び率は前年比32.9%と急激に拡大を遂げている。さらに2018年までには1 兆3 千億円規模にまで達すると予測されており、海外へ商機を見出そうとする企業が利用の検討を進めている。健康食品業界にも、越境EC利用の機運が高まっている。静岡に所在する受託メーカーでは、「越境ECを利用した中国向け商品の製造依頼が増えている」という。特に、中国では関東10都県で製造された商品の輸入規制があるため、静岡での製造を希望するメーカーが多いという。また、商品については「酵素や納豆キナーゼの人気がいまだ根強い」と話す。国内インバウンド需要が落ち着くとみられるなか、越境ECを利用し新たな市場開拓の波は広がりそうだ。






健康産業新聞第1599号(2016.7.6)より一部抜粋
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