2016年8月10日
【薬系店舗】2016上半期総括と下半期展望 インバウンド減速と今後の活路は

薬系店舗ルートにおける今年上半期の健康食品売上高は堅調に推移した。大手チェーンドラッグストアでは、インバウンド需要が好調に推移したことなどから、2016年度決算で、上場企業13社全てが増収を達成。売上高で前年比2ケタ増となる企業も半数以上に上った。商品別ではダイエット食品、アイケア商品、水素水などが順調に売り上げを伸ばすと共に、スポーツニュートリションをはじめとするプロテインやアミノ酸の新商品が続々と上市され、下半期の注目商材となっている。

一方でインバウンド需要に陰りが見られる中、ドラッグストア各社では、カウンセリング販売や機能性表示食品の販売強化に乗り出している。大手を中心に地域密着型の「かかりつけ薬局」としての機能強化を図り、ヘルスケア特化型店舗の構築を進める動きが加速している。





■ヒット商材、インバウンド需要で大手DgS半数超が2ケタ成長

日本チェーンドラッグストア協会が毎年公表している実態調査によると、2015年1~12月の全国ドラッグストアの売上額は、6 兆1,325億円(前年比1.1%増、推定値)となった。

分野別でみると、健康食品を含む「その他」のカテゴリーは、1 兆5,476億円(同3 %増)と堅調に推移。他カテゴリーの成長率鈍化に比べ、堅実な伸び率となっている。実際、大手ドラッグストアの2016年度決算を見ても、上場企業13社全てが増収を達成。2 ケタ増となった企業は、マツモトキヨシHD、サンドラッグ、ツルハHDなど7 社に上る。背景には、中国人観光客の爆買いをはじめとする「インバウンド需要」の取り込みに成功したことに加え、酵素やスムージーなどのダイエット食品にヒット商品が複数見られたことや、アイケア商品、水素水などの売れ行きが好調に推移、売上を伸ばした企業が多かったことが一因だ。





■アイケア訴求の機能性表示食品が人気、プロテインなどスポーツNにも注目

今年上半期の薬系ルートで、健康食品・サプリメントのカテゴリー別売上高を見てみると、アイケア訴求のサプリメントが好調だった。なかでも機能性表示食品であるファンケルの『えんきん』やロート製薬の『ロートV 50』が売上を大きく伸ばした。主な要因は、「目の疲れ」に対する訴求は、全世代、男女問わず可能な点だ。近年はパソコンやスマートフォンの普及で、20~30代に目の疲れなどを感じる消費者が増加しており、今後もアイケアを訴求する機能性表示食品の上市が増加することが期待される。

またプロテインやアミノ酸なども堅調。プロテインでは、本格的なアスリート向けの商材に加え、ランニングやウォーキング愛好家など健康志向の一般消費者向けのスポーツニュートリション商材が増加傾向にあり、安価で飲みやすい商材なども登場している。また高齢者のタンパク質補給を目的とした商材も登場しており、食品メーカーでも商品開発が活発化している。下半期の人気予想でアミノ酸やプロテインを挙げるバイヤーも見られるなど、薬系ルートでの売上拡大が見込まれる。





■成長は“踊り場”――カウンセリング販売”“機能性表示食品”に活路

上半期、堅調な伸び率を達成したドラッグストア業界だが、前述の日本チェーンドラッグストア協会の統計をみると、成長率は鈍化の傾向が顕著だ。5 月の大手ドラッグストア各社の既存店売上高を見ると、マツモトキヨシHDでは2.1%減、ツルハHDでは0.2%減など、減収傾向の企業も見られる。インバウンドによる恩恵にも陰りが見られ始めており、薬系大手卸からは、「インバウンド需要は前期の半分も見込めなくなるのでは」との声も聞かれる。こうした現状を打破するため、大手ドラッグストア各社では、「カウンセリング販売」の充実および、「機能性表示食品」の拡販に注力している。カウンセリング販売では、薬剤師や管理栄養士などの活用を通じて、近隣住民のセルフメディケーション推進をサポートするため、地域に根差した“かかりつけ薬局”としての地位確立を目指している。

マツモトキヨシH Dでは、昨年の1 号店に続き、「暮らしのヘルスケア店舗MatsukiyoLAB」の2 号店を千葉県本八幡にオープンした。2 階建ての広大な店舗には、調剤薬局の併設はもちろん、管理栄養士が常駐し、カウンセリングやサプリメント・健康食品の分包などを行う「サプリメントバー」、化粧品を販売する相談カウンターを設置。さらには血圧測定や口腔ケアなど簡単なセルフチェックが行える専門コーナーも設けている。スギ薬局では昨年11月、愛知県高浜市に「提案型・体験型ドラッグストア」をコンセプトとした新店をオープン。同店では、機能性表示食品などの品揃えを充実させているほか、試食コーナーなども完備。骨密度や体組成計、脳年齢、血管年齢などを測定できるヘルスチェックスペースも設置している。店内には管理栄養士が常駐し、食生活に対するカウンセリングから、おすすめのサプリメントの提案まで、消費者の様々な相談に対応している。

一方、「機能性表示食品」については、マツモトキヨシHDの話では「おすすめできる機能性を分かりやすく伝えることができ、1 つの商品カテゴリーとして市場を形成できる」と期待を寄せる。同社では、機能性表示食品『飲む体脂肪ケアグリーンスムージー』などを含む、新たなPBブランド「matsukiyo LAB」シリーズを上市、機能性表示食品をはじめとしたPB商品開発を推進していく。スギ薬局でも機能性表示食品の販売戦略に注力。1 月に機能性表示食品『葛の花ウエストケアタブレット』と『葛の花ウエストケアスムージー』、3 月に『葛の花プレミアム青汁』の計3 品が、機能性表示食品として受理された。

ドラッグストアのPB戦略においても機能性表示食品を活用した動き徐々に熱を帯びてきた。日本チェーンドラッグストア協会の宗像守事務総長は、「機能性表示食品の訴求別の棚作りには、最低1,000品目は必要」とコメントしており、今後、仕入れ・PBを合わせた商品数の増加が期待される。ドラッグストアの中には、機能性表示食品やトクホ、関連のサプリメントなどを組み合わせて、いち早く訴求別の棚作りを進める企業も見られる。ドラッグストア業界では今後、丁寧なカウンセリング販売と機能性表示食品の売場拡大を図ることで、近隣住民の健康ニーズの獲得に向けた取り組みが加速しそうだ。






健康産業新聞第1599号(2016.7.6)より一部抜粋
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