2016年6月20日
【プレミアムエッグ】DHA・α-リノレン酸強化などで市場底上げねらう

たまごは、良質なアミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含む「完全栄養食品」。日本は、1人あたりのたまごの年間消費量が約329個と、メキシコ、マレーシアに次ぐ世界3位の消費大国で、たまごは日本の食卓には欠かせない存在となっている。最近では、ビタミンやDHA、葉酸など栄養成分を強化した「プレミアムエッグ」も浸透。中には、機能性表示制度への動きもあると聞く。さらには、世界的にコレステロールの摂取基準が見直されたことも鶏卵業界には朗報で、これまでコレステロール値を上げる悪役のイメージが強かったたまごは、そのイメージを払拭しつつある。たまごの消費拡大への追い風が吹いてきた。




■再評価されるたまごの健康機能
たまごは、人の体内では作り出すことのできない8 種類の必須アミノ酸のほか、ビタミンやミネラルなど栄養価に優れていることから「完全栄養食品」と言われる。たまごの良さは、そうした栄養成分を普段の食事から手軽に摂取できることにある。さらに超高齢化社会に突入した現代においては、高齢者の低たんぱく傾向が問題視される中、良質な動物性たんぱく質を有するたまごの摂取が高齢者の低たんぱく予防に繋がり、運動機能を維持することから健康寿命延伸にも期待される。

近年ではたまごの健康機能性も再注目され、国内外で機能性研究が盛んに行われている。これまでに、卵黄に含まれるリン脂質の脳への働きやカロテノイドの抗酸化能、たまごに含まれる栄養成分よる満腹感の持続、抗メタボ、抗老化、抗炎症作用といった研究成果が報告されているほか、国内では毎年、「タマゴシンポジウム」や「日本たまご研究会」などで、鶏卵メーカーや研究者による最新のたまごの機能性研究が発表されている。




■機能性表示に向けた動きも
たまごの健康機能が再評価されている中で、鶏卵メーカー各社は、飼料や飼育方法に工夫を凝らし、元来の高い栄養価に加え、DHAやEPA、CoQ10、ビタミン、ミネラル、葉酸といった栄養成分を強化した高付加価値たまごの開発を進めている。こうした高付加価値たまごは、日本国内だけでも1,000アイテム以上あるとされ、一般スーパーから高級スーパー、自然食専門店、道の駅といった様々な店舗のほか、通販チャネルでも扱われるなど広く流通。通常のたまごと比べても割高だが、年々需要は増加しているといい、日本養鶏協会によれば、「生産規模の大小を問わず、高付加価値たまごを生産する農家は増えている」という。

現在、高付加価値たまごに関しては、ビタミン・ミネラルなどをより強化し、栄養表示が可能な栄養機能食品に対応した製品も増えた。また、機能性成分のエビデンスを整備し、機能性表示食品制度に向けた取り組みの動きも水面下ではあり、健康訴求でより差別化を図る製品開発も進みそうだ。鶏卵大手のイセ食品では、DHA・EPA、CoQ10、α-リノレン酸、アラキドン酸などを強化した『たまごプラスシリーズ』を展開。JA全農たまごは、葉酸を強化した『しんたまご』に、α-リノレン酸を加え、昨年パッケージに「+オメガ3(α-リノレン酸)125mg」を明記してリニューアルした。この他、様々な企業から、アスタキサンチンやルテイン、セサミンなどを強化した高付加価値たまごも発売されている。




■コレステロールの摂取基準撤廃が、たまご業界の追い風に
たまごとコレステロールに対するイメージが変わっている。米国農務省(USDA)と米国保健福祉省(HHS)は、米国心臓協会による「食事由来のコレステロールと血中コレステロールの間に明らかな関連性を示す科学的根拠はない」との報告などを受け、昨年2 月に、「アメリカ人のための食生活指針」でコレステロールの摂取制限を撤廃した。同年4 月には、日本の厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2015」でも、同様の理由から、コレステロール摂取の上限値撤廃を盛り込んでいる。

また、食事で摂取したコレステロールが、日々体内で生成されるコレステロール値のバランスを調整する働きがあることに加え、コレステロールが、細胞膜の作る材料になることや、胆汁酸に変化し消化吸収を助けること、生体機能を調節するホルモンの材料になることなど、体の組成にとって必要不可欠な成分であることも知られてきた。

コレステロールの摂取基準撤廃やコレステロール本来の働きが見直され、これまでコレステロール値を上げる悪者のレッテルを張られてきたたまごが、逆に、不足するコレステロールを補給する食材となり、さらには、たまごに含まれるレシチンやオレイン酸がLDL-コレステロールを低下させHDL-コレステロール増やすことから、健康維持の観点からも注目されている。そうした中で、業界では様々な普及活動に取り組み、たまごの消費拡大を図っている。全国の養鶏・鶏卵関係の12団体からなる全国鶏卵消費促進協議会では、11月5 日を「いいたまごの日」として記念日に設定。料理教室やイベントなどを催し、たまごの良さをアピールする。この他、日本卵業協会では「たまごニコニコ大作戦」としてたまごを1 日2 個食べてもらうプロジェクトを推進するなど普及に努めている。

現在、鶏卵の年間生産量は250万t でここ数年横ばいが続くが、高付加価値たまごの需要拡大、コレステロールの摂取基準撤廃など、たまご業界の活性化に向けた好材料が揃ってきたこともあり、生産量が増えれば市場の活性化に繋がることは間違いない。




健康産業新聞第1597号(2016.6.1)より一部抜粋
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