2016年6月10日
主張:人口減少とイノベーション

“1.46”―出生率の微々たる改善が久々のニュースになっている。我が国の人口推移は、2013年の1 億2,700万人がピークで、2060年に8,000万人台に、そして100年後は4,000万人台に減少すると見られている。にわかに信じ難いものの、死亡人口と出生人口の差(人口減少)も年々拡大している。女性の出生率が2.0であっても適齢女性の絶対数の減少で、維持すらも既に難しいという。欧米では移民や結婚にとらわれない自由な出産で、辛うじて食い止めているケースもあるが、人口減少は実は、先進国共通の課題でもある。とりわけ生産人口の減少はGDPの維持にも影響し、購買力の低下にもつながると考えるのが一般的だ。吉川洋教授の講演では「人口減少についてのペシミズムが蔓延しているが、先進国の経済成長を生み出すものは企業のイノベーションだ」とし「高齢化社会ではイノベーションのチャンスが拡大している」とも指摘、先入観を払拭する講演になった。実は戦後の高度成長は人口の増加は追い風ではあっても本質的にはイノベーションこそが成長を支えてきたと分析、人口減少が指摘されるこれからの日本にもむしろ大きな可能性があると。企業の挑戦力、イノベーションへの取り組みが鍵で、内部留保に走る兆候は得策ではないと説明した。とりわけ高齢化社会は、医療費の増加と購買力の低下などのイメージが先行するが、これまでの製品を全て塗り替えるようなイノベーションが期待できる分野でもあると。確かに介護ロボットの登場、様々な嚥下可能な食品の開発など、衣食住環境の高齢化仕様は急速に進んでいる。吉川氏は、事例としては、鉄道などは労働人口の減少が経営に直結するが、路線の拡張や乗り入れで、新たな需要を見出しているとも。その結果、満員電車が走っているが、若い人たちが次のイノベーションで生涯賃金が倍増すると考えれば、快適な車両と相応の料金で、それこそ「走る知事室ならぬ仕事部屋」にもなるわけで、可能性は大きい。同氏はイノベーションは消費地のそばで起こるわけで、成熟した日本には人口も国土の広さもイノベーションのための色々な条件が整っているとも。確かに、健康産業もメディケアフーズも美容分野もイノベーションが期待できる分野で、様々な分野でロボットや人工知能の活躍も期待できそうだ。




健康産業新聞第1597号(2016.6.1)より一部抜粋
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