2016年6月3日
夏場の〝温活〞実践者増加で「温熱商材」活躍の場が拡大

健康・美容を目的に日頃から体を温める“温活”が、女性層を中心にライフスタイルとして定着。夏場の冷え対策の重要性に対する消費者の認知も広がり、温活実践者が増加している。産業界にとっても追い風で、温熱マットや手足浴器、腹巻き、重ね履き靴下、入浴剤、ショウガを中心とした温感食材―― など、体を温める商材の売れ行きは、従来の冬場に限らず夏場でも伸びている。さらに近年は、温熱による認知症やロコモ対策に対する有用性が明らかとなり、医療機関や介護施設で治療やリハビリに温熱を活用する機会も増加。温熱商材は活躍の場を拡大している。




■温活実践者が増加、2000億円超の冷え対策市場に追い風
小学館インサイト研究所が先月発表した調査によると、女性誌読者を対象に冷えについて聞いた結果、82.5%の女性が冷え性を実感、さらに夏でも冷え性を実感すると答えた女性は78.8%にのぼっている。冷え研究の専門家の多くは長年、夏場の冷え対策の重要性を訴えてきたが、ここ数年になってようやく消費者にもその重要性が浸透してきた。体を温める活動を“温活”と称し、女性誌やテレビなど各メディアが、健康や美容に有効なライフスタイルの1 つとして頻繁に取り上げるようになったことで、夏に体を冷やさないように腹巻きをする、靴下の重ね履きをする、ショウガや高麗人参、ヒハツなど、血行を促進して体を温める食品を摂取する―― など、女性層を中心に温活実践者が増加している。


この動きは産業界にも追い風となっている。厚生労働省の統計によると、平成27年のマッサージ機器や熱療法治療器など血行を促進して冷えを改善する効果のある家庭用医療機器の国内出荷金額は約670億円、薬用入浴剤は約450億円で共に前年を上回っている。ここに医療機器以外の温熱・温浴機器類、温感系の寝装品類、肌着・靴下類、浴用化粧品等のノンフーズ商材、230億円市場の高麗人参など温感食品・サプリメント等を加えると、市場全体で2,000億円以上と推計される。さらに、これまで温熱商材は冬場に売れる季節商材だったが、最近では夏場でも売れる年中商材になりつつあり、さらなる市場拡大が見込める分野へと成長している。




■温熱商材が夏場も人気に
今回の取材でもメーカーの多くが、近年は夏場でも温熱商材が売れるようになったとコメント。なかでも快眠やストレスケア、体のコンディションを整える、女性のエイジングケアなどを目的とした商材が人気を集めている。


トラストレックスでは、温水ヒーターで作ったお湯の熱で体を温める商材を展開。売れ筋の温熱マット『癒眠』は、副交感神経を優位にさせ、快眠に繋がると評判を得ている。フジカが製造販売する温熱ドーム『スマーティ®』も、温熱によるデトックスやヒートショックプロテインの働きで、体のコンディションを整えるアイテムとして女性からアスリートまで広く浸透。ドクターセラムでは、希土類鉱石を用いた一般医療機器『イオンディスクASTRA』が、冷え対策商材としてエステサロンや治療院などに導入が進んでいる。

また、入浴関係商材も好調な動きをみせている。入浴剤の老舗企業・五洲薬品では、年代別・症例別に処方設計するなど高付加価値の入浴剤が卸・OEMとも堅調に推移。水素生活では、水素発生入浴料『水素バス』が、メディアで紹介される機会も増え、取引先を通じて店舗販売ルートにも拡大。水素化マグネシウムを主成分とした水素入浴剤のOEMを展開するドクターズチョイスでも、通販企業や訪販企業など新規受注が増加している。今期は水素ブームを背景に、水素入浴料や風呂用水素水生成器などの開発が活発化。3月の「健康博覧会2016」でも新製品が数多く出品された。温浴効果に加えて水素による美肌・エイジングケア効果が人気となっており、今後も成長が期待される。




■温感食品も好調、血流改善素材を“冷え”対策で提案するメーカーも
一方、温感食品・サプリメントの市場も、近年はショウガを中心に堅調に推移する。国産ショウガの大手サプライヤー・坂田信夫商店では、ヒト臨床試験で末梢血管の血流改善作用や冷え改善効果が示唆された研究データを取得、原料・OEM供給とも順調という。丸善製薬では、『Tie ヒハツエキスパウダーMF』の冷えやむくみの改善、血流改善に関するデータを取得、通年素材として主力アイテムの1 つに成長している。サビンサジャパンコーポレーションでは、冷え対策に有効なデータを揃える『ブラックジンジャー抽出物』の供給が順調。日本生物.科学研究所では、納豆菌培養エキスの『NSK-SD』が、血流改善に伴う冷え対策素材として需要が拡大しているという。冷え対策市場の拡大を受け、近年は血流改善効果が確認されている食品素材を展開するメーカーの中にも、「冷えの改善」に対するデータを追加で取得するケースが増えている。“温活”人気に伴う市場性に注目し、最近ではオムロンヘルスケア、ピップ、千趣会など大手企業も市場に参入するなど、冷え対策市場は、夏場・冬場に関わらず活発化している。また近年は温熱による認知症やロコモ対策への有用性も明らかになり、医療機関や介護施設などで治療やリハビリに温熱を活用する機会も増えるなど、冷え対策商材の活躍の場は年々拡大している。




健康産業新聞1596号(2016.5.18)より一部抜粋
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