2016年4月11日
昭和女子大×資生堂プロジェクト

女子大生の関心はエビデンスよりストーリー性?


どうすれば女子大学生が健康食品を購入してくれるのか――。学生が健康食品の販売促進案をメーカーに提案する「昭和女子大学×資生堂共創プロジェクト」の2015年度最終報告会が3月2日に開かれた。総勢20人の女子学生が、美容健康食品『資生堂 長命草』シリーズのサンプリングや有用性試験、イベント開催を通じて報告したことは若年層開拓を目指すメーカーの“気づき”となるか。


同プロジェクトは、㈱資生堂の相談役である末川久幸氏が、昭和女子大学・現代ビジネス研究所の特別研究員を務めていることをきっかけにスタート。学生に学びの機会を与えるとともに、『長命草』シリーズの競合・青汁ブランドとの差別化や若年利用者の拡大のための販売戦略提案という課題が3 学部・20人の女子大生たちに提示された。

総務省が昨年発表した「明日への統計2015」の分析では、「健康保持用摂取品」の消費を牽引しているのが60代以上。40代未満は支出金額、消費支出に占める割合ともに、60代の4 分の1 未満だ。健康面・美容面での不安も少なく、かつ所得も少ない大学生であれば、健康食品を利用する人はごく少数だと考えられる。

参加学生も、商品はもとより長命草(ボタンボウフウ)自体を知らず、商品イメージは「ダサイ」「(女子大生には)売れない」「オバサンが飲むもの」と散々なもの。当初は化粧品最大手の資生堂とのコラボに心躍らせたというが、徐々にモチベーションも低下していったという。

こうした状況を変えたのは、長命草を生産する沖縄県与那国島の視察。与那国島薬草園㈱の杉本和信氏から、野生種を畑に移植し7 年かけて事業化したこと、その理由が島を守るための新産業創出であったことなど熱い思いを聞き評価は一変。「私たちが同世代の女性に売る」という気持ちが芽生え、プロジェクトが一気に加速した。健康食品・化粧品業界においてストーリー性は重要視されるが、特に若い女性において必須条件だったことは、メーカーにも興味深い“気づき”となったはずだ。

さらにサンプリングでのアンケート結果から、「健康」ではなく「美容」訴求が若い女性に響くと分析。学内で有用性試験を実施したものの、エビデンスよりも訴求方法を重視した取り組みが行われた。資生堂のキャッチコピー「与那国島のパワーベジタブル長命草」の訴求力が弱いことを指摘し、「美味しい化粧下地はじめませんか」など独自2 案を作成してP R 。さらに感銘を受けた商品ストーリーを伝えるための広告展示や「長命草かき揚げ」の提供、島体験など、趣向を凝らした学内イベント「与那国DAYS」を成功させた。このほか報告会ではパッケージの多色展開や、化粧品売り場での販売などの提案も。末川氏は「実際にはまだまだだと思う」としながらも、「我々は成分やデータの角度で見るが、バックグラウンドにこれだけ高い意識を持ってもらったことは大変嬉しい」とコメント。来年度のプロジェクト続行も決定し、「有用性試験などは弊社の研究開発部門が協力できるはず。今後はSNSでの情報発信など、我々世代では思いつかないような発想もみたい」と、新メンバーも迎える2 年目にさらなる期待を寄せている。




健康産業新聞1592号(2016.3.16)より一部抜粋
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