2016年1月18日
【通販15年下半期動向】売上好転、4510億円(1.3%増)に

■機能性表示対応企業は売上増へ


2015年の健食通販市場は、本紙推計で前年比1.3%増の4,510億円となった。機能性表示食品の販売スタートにより、昨年対比で売上120%~130%を記録する企業が出てきた一方、消費増税による売上減少を引きずる企業もあり、横ばいや微減となった企業も多かった。

特に、2015年前半は昨年の不振を引きずる企業が多く、JADMA(公益社団法人日本通信販売協会)が定点観測している月次調査でも、3 月まで売上前年比で12ヵ月連続のマイナスを記録。特に3 月単月では、消費税増税前の駆け込み需要の反動でマイナス19%と最大の落ち込みとなった。しかし、4 月に4.7%とプラスに転じると、以降10月まで7 ヵ月連続で売上増となり、巻き返しを図る格好になっている。

好調の要因として、4 月にスタートした機能性表示食品制度の影響が大きい。6 月に受理商品が市場に登場するや、各社広告プロモーションを積極的に展開するなど拡販に注力。届出受理済み商品を販売するメーカーでは軒並み売上増といったコメントが聞かれた。

ファンケルでは、「えんきんが非常に好調。8 月単月では対前年同期比5倍、計画比で2.5倍となり、年間では当初の売上予定を上回る30億円に達する見込み」とし、「えんきんに牽引され、その他の機能性表示食品4 品も売上が伸びている」と話す。2015年4 ~ 9月の中間決算では、栄養補助食品関連事業の売上高は137億6,900万円となり、昨年同期比23.3%の増加となった。同社の販売チャネル別の売上実績( 6 - 9 月)でも、通販チャネルでの売上が前年比2.5倍と増加し、計画比でも1.8倍と健闘した。

同社会長池森氏が今年発表した新中期経営計画では、「2019年度までにグループ全体の売上を現在の倍となる1,500億円に」と目標を掲げており、弾みのつくスタートとなった。

肌の機能性表示として第1 号となったヒアルロン酸サプリ『ヒアロモイスチャー240』を販売するトウ・キユーピーでは、「発売以降Webからの顧客流入数は従来と比較して4 倍」とし、リテール型通販を展開する同社では過去経験のない手応えを掴み、通期でも増収見込みとなっている。

また、機能性表示食品受理1 号となったラクトフェリン配合サプリを販売するライオンでは、発売後3 ヵ月間( 7 - 9 月)の売上が、同年4 - 6 月に対し1.2倍、顧客獲得数は対前年同期比で2.4倍に増加したという。機能性表示食品を販売する企業は軒並み好調に推移しており、二ケタ伸長で着地する企業もみられた。このほか、世田谷自然食品では「2 ケタ増」とし、売上130億円台に入るなど好調さを窺わせた。

一方、機能性表示食品の販売を行っていない企業からは、「微減」「横ばい」と苦戦を強いられているコメントが目立った。競合ひしめく九州通販メーカーの売上トップグループを走るえがおでは、260億円前後になる見込み。同社ではルテイン配合のサプリメントで機能性表示食品の届出が受理されており、今期はその売上増が期待される。

また、エーザイでも「昨年の消費増税の影響が続いている」とし、売上は横ばいとなった。同様の声は他の通販企業でも聞かれ、「増税以降、顧客数、売上共に回復の予定が遅れている」といったコメントがあった。

また、「広告表示の規制強化も売上が伸び悩んでいる一因」と指摘する声も。「ダイエット商品に関する広告への取り締まりが以前よりかなり厳しくなった」という回答が多く聞かれ、なかには「説明文にダイエット食品と記述しただけで、健康増進法31条に抵触すると管轄保健所から指摘を受けた」とし、「改正景表法の罰則が厳しくなるので、ますます広告には気を遣う」など、従来の手法では売上増が見込めない現状に苦慮している様子がみられた。


■通販市場全体は6兆円規模へ


通信販売チャネルは高齢者の利用額増加なども手伝い、年々拡大を続けている。JADMAが今年8 月に発表した全体の売上高調査では、遂に6 兆円を突破。前年比4.9%増の6 兆1,500億円となり、16年連続で増加を記録している。楽天やアマゾンなどプラットフォーム系企業が売上増を牽引しているほか、さらには中小企業のネット通販の参入も増え裾野が拡大している。

政府もネット通販の右肩上がりの増加の状況を踏まえ、総務省が今年1 月からネットショッピングの実態調査を実施。7 月には、家計消費状況調査でネット通販の健食購入割合は70歳代がトップだったことも明らかになった。今年1 ~ 3 月の調査結果をもとに、世帯主の年齢階級別にみた1 ヵ月間のネット通販の利用状況では、40歳未満が46.2%で最も高く、年齢階級が高くなるにつれて低下。最も低い70歳以上の利用割合は約1 割にとどまった。

しかしネット通販を利用した世帯限定でみると、1 ヵ月の支出額は79歳以上が3万5,695円で最も多いという結果に。ネット通販の支出総額に占める「健康食品」の割合は全体平均で3.5%。年齢階級別にみると、40歳未満が1.8%であるのに対し、70歳以上は5.3%に登っている。総務省では、「年齢間の差は医薬品に比べて健康食品の方が大きく、高齢層の健康志向の強さがうかがわれる」としており、増加する高齢者のネット利用によって通販チャネルにおける健康食品市場もさらなる拡大が期待される。




健康産業新聞1587号(2016.01.06)より一部抜粋
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