2016年1月4日
所得格差、「栄養・健康格差」生み出す

■低所得世代ほど、「肉・野菜」の摂取量減


昨年12月、厚労省は「平成26年国民健康・栄養調査」の概要を発表した。
今回、所得と食生活や生活習慣などに関する状況を調査。世帯所得が低いほど
米やパン、麺類など穀類の摂取量が多かった一方、野菜、肉類の摂取量は
少なくなっていることがわかった。

また男性は、世帯所得が低いほど肥満率や健診等の未受診者の割合も高かった。
厚労省では「所得の低い人は時間的にも精神的にも余裕がなく、手間のかかる
食材を避け、簡便な食事している人が多い可能性がある」と推測する。
全体調査でみると、栄養素等摂取量では、カルシウムの平均摂取量が依然として
低い水準だった。
このほか、この10年で女性のやせは有意に増加。特に20、30代は15%を超える。
朝食の欠食率も若い世代が高く、20代男性の3人に1人以上が朝食を摂っていない
ことが判明。若い世代の栄養素等摂取量不足も懸念される。


■世帯所得「200万円未満」の男性「600万円以上」と比べ、肥満率1.5倍


調査は一昨年11月に5,432世帯を対象に実施、有効回答を得た3,648世帯を
まとめたもの。所得と食生活に関する状況では、食品群別摂取量の結果を発表。
野菜摂取量は世帯所得「600万円以上」の場合、男性が322.3g、女性が313.6g
だったのに対し、世帯所得「200万円以上~600万円未満」の場合、男性が288.5g、
女性284.8g、世帯所得「200万円未満」の場合、男性が253.6g、女性が271.8gと、
世帯所得が低くなるにつれて摂取量が少なかった。肉類も同様に男女ともに
「200万円未満」「200万円以上~600万未満」は、「600万円以上」と比較して
摂取量が有意に少なかった。

穀類摂取量は逆に、「600万円以上」と比較して、男性は「200万円未満」と
「200万円以上~600万円未満」の摂取量は有意に多かった。女性も「200万円未満」は
摂取量が有意に多かった。肥満者(BMI≧25kg/㎡)の割合も異なり、男性の肥満者は
「600万円以上」で25.6%だったが、「200万円未満」は38.8%と約1.5倍まで上がった。
また、健診等の未受診者の割合は、男性の「600万円以上」が16.1%に対し、
「200万円未満」は2.5倍以上の42.9%におよんだ。


■Ca摂取量、成人で推奨量下回る


20歳以上の栄養素等摂取量(1日あたり平均値)をみると、n-3系脂肪酸は2.21g、
ビタミンDは7.6μg、葉酸は298μg、ビタミンCは100mg、カルシウムは490mg、
鉄は7.6mgなど。年齢別・男女別にみると、成人100mgが推奨量、85mgが推定平均
必要量となっているビタミンCは、20代男性(62mg)、30代男性(66mg)、
30代女性(69mg)では70mgにも届かない水準。例年不足が指摘されるカルシウムは、
15歳以上の推奨量が650mgとなっている女性の場合、20~60代では推定平均必要量の
550mgも下回っている。成人男性も各年齢層でカルシウムの平均摂取量が推奨量・推定
平均必要量に届いてない。

国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三氏は、「推定平均必要量より低い
からといって欠乏しているとは科学的にいえない」とし、「行動変容につなげる
ことがトクホの重要な役割。サプリメントも自分に足りないものを栄養表示など
から判断して有効活用することが望ましい」と話す。


■やせの割合、20代女性17.4% 朝食欠食率、20代男性は3人に1人


全体調査でみると、肥満者の割合は、男性が28.7%、女性が21.3%。この10年で
「男女ともに有意な変化はみられなかった」とする一方、やせは女性が10.4%で
有意に増加していた。年代別でみると20代女性(17.4%)、30代女性(15.6%)が
特に高かった。

朝食の欠食率では、男性が14.3%、女性が10.5%。年齢が若いほど欠食率は高く、
男性は20代が37.0%で、平成16年から平成26年の間で一番高い結果となった。
30代も3 割近い29.3%。女性も20代が23.5%と最も高い。若い世代のやせや、
欠食率の高さはビタミン、ミネラルなどの栄養素摂取量にもより影響を及ぼすことが
懸念される。

健康産業新聞1587号(2016.01.06)より一部抜粋
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