2015年12月4日
インバウンド需要、秋口より消費に陰り?

今年の健食市場における店販ルートでの売り上げを押し上げる一因になった外国人訪日観光客によるインバウンド需要。百貨店や量販店、ドラッグストアでは免税レジや観光客対応の販売員の拡充などを進め、第2四半期決算好業績を残した企業も少なくない。一方で、一部のOEMメーカーや卸関係者から、「秋口よりインバウンド向けの商材の出荷が伸び悩みはじめた」「踊り場に入った」「外国人旅行者向け消費税免税制度改正による売上増が一巡した」との声も。現状を追った。

観光庁の統計によると、外国人観光客の訪日人数は9 月までの累計で約1,450万人となり、前年同期比で5割近く増えている。これに伴い、百貨店や量販店、ドラッグストアなどでは免税対応を強化。大手量販店のラオックスでは今年に入り観光地の繁華街中心に17店舗を新規出店した。マツモトキヨシの第2 四半期の小売事業における売上高は前年同期比13.5%増の2,557億9,000万円を記録。免税対応店舗の拡大や、中韓だけでなく英語にも対応するなど訪日外国人観光客に特化した出店により、インバウンド需要の取り込みに成功。同社では、外国人観光客獲得の推進を重要課題に位置付け、経営資源を投下している。

薬系卸のアルフレッサホールディングスの第2 四半期もセルフメディケーション卸売において、子会社の連結化だけでなく一般用医薬品や健康食品のインバウンド需要への対応強化も少なからず寄与し、同事業分野の売上高は前年同期比で24.5%増の1,244億700万円と大きく伸長した。

その一方で、一部の酵素関連のOEMメーカーや、プラセンタサプリメントメーカーなどから、「10月から出荷量が減少した」、「1 回の受注が2,000万円分だったのが、いまは20分の1 以下に」などといった声が聞かれるようになった。ラオックスの10月の月次販売状況によると、売上高は今年もっとも低水準の前年同月比84%増。これまでの200%増を超える勢いからはやや影を潜めた。

中国人観光客の購買力の弱体化に関しては、高まる“爆買い”を鎮静化させ内需転換を図りたい中国政府が9 月から、税関の厳格化を徹底したという情報も伝えられたが、のちにそれは中国版LINEとして知られるWeChat(微信)により拡散されたデマということがわかった。さ
らには中国税関総署も公式にこの情報を否定した。中国人観光客の訪日数は増加の一途をたどっているため、一部減少の理由は「デマを真に受けた中国人観光客が、転売目的の爆買いを自粛した」ことなども考えられる。今回の件について健食メーカー役員は「インバウンド依存の怖さを知った。いずれにせよ需要は、東京五輪前にピークを迎えるだろう。次の柱の必要性を感じた」と話す。

ドラッグストア大手各社の10月の売上高を見ると、概ね好調に推移。薬系卸大手の大木の担当者は「インバウンド需要が落ち込んだという印象はない」としている。大手青汁メーカーの経営者も「依然として好調」としており、デマの影響を受けた商材は限定的との見方が強い。
日本百貨店協会の発表によると、10月の免税総売上高は前年同月比96.0%増と33ヵ月連続で成長。ただ中国景気の減速、内需転換などインバウンドにとっては不安材料も抱えており、予断を許さない。




健康産業新聞1585号(2015.12.2)より一部抜粋
健康産業新聞の定期購読資料のご請求(無料)はこちら

出展資料請求はこちら
ご存知でしたか?助成金を活用した展示会出展について
出展社専用ページへ
同時開催展
Food Produce Japan
ページトップへ戻る