2015年10月29日
【アクティブシニアサポート】ロコモ・サルコペニア予防にサプリが有効

わが国は世界でも類をみない超高齢化社会に突入。そのスピードは諸外国と比べても著しく速い。65歳以上の人口は全体の26%を超えており、少なくとも2060年代までは上昇の一途をたどる見通しだ。その一方、高齢者の若返りが顕著に。10年前の65歳と比べて、現在の65歳の体力年齢は10歳程度若いという研究内容も報告されている。このようなアクティブシニア(元気な高齢者)は増えているが、75歳を超えた後期高齢者では、転倒による骨折をきっかけに寝たきりになり、脳こうそくや認知症などを発症し重度の要介護状態になるケースも増える傾向にある。健康寿命の延伸は、わが国にとっての喫緊の課題であり、その対策が急がれる。ここ最近になって「栄養と運動」が予防策として注目されており、健康食品業界でもアクティブシニアをターゲットとした食品開発が活発化し始めている。




■ロコモ、サルコペニア、フレイル 医学領域で進む認識、一般認知は課題も
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)という概念を提唱する日本整形外科学会は、神戸で開かれた総会において2015年度の「ロコモティブシンドロームの認知度は44.4%、理解度は18.3%」と発表した。前年度と比較すると8 %程度の伸び率ではあるが、必ずしも一般に浸透しているとは言い難い結果だ。一方でサルコペニア(加齢にともなう筋力の減少)は、介護従事者に限っても44%の認知度だった。現在、老年医学の関係者を中心に「フレイル」(虚弱)という概念が注目されており、日本老年医学会がこれを提唱。現在、介入法の確立や、診断基準の策定が待たれているが、一般層の認知拡大が今後の課題となる。

現在、整形外科や老年医学の領域では、ロコモやサルコペニアに関する研究が進んでいるが、ここ最近は筋量や歩行速度の衰えと、脳や体内臓器の機能低下との相関性が論じられることが増えてきた。さらにフレイルの中でもオーラルフレイル(口腔内の虚弱)に着目した研究も目立つようになった。東京都健康医療長寿研究センターでは、フレイル段階の人と健常者で口腔機能を比較したところ、オーラルフレイルと判定された人は、フレイル群では健常者の4倍近くに上るという調査結果を報告している。また、世界中のあらゆる研究成果から、転倒骨折などから寝たきりにならないための有力な介入方法として「食による栄養摂取と適度な運動」の必要性がクローズアップされるようになった。ロコモ、サルコペニア、そしてフレイルは、死に直結する状態を指しているといっても過言ではないが、適切な処置により重度化を先送りできることがわかっている。食と運動により、衰弱段階を先延ばしし、その先にある認知症や脳疾患、循環器系などの致命的な疾患の発症を遅らせることはできるからだ。




■食と運動による予防が最重点課題に
国立長寿医療研究センターの荒井秀典氏によると寝たきりを防ぐ具体策として、①ビタミンDとタンパク質の十分な摂取②適度な運動(サルコペニアと判定された場合は筋トレも必要)③生活習慣病の管理―といったポイントを指摘している。また同センターの鈴木隆雄氏によると、フレイルの前段階の女性に対して実施した試験では、週2 回、1 回あたり60分程度の簡単な筋肉強化運動やボール運動と、ロイシン高配合のアミノ酸を1 日2 回摂取する介入方法により、筋機能や運動機能が改善し、その後に実施した追跡調査でも非参加者と比べて筋力や歩行速度の衰えが4年間を通じて少なかったといったことがわかった。また、転倒率を比較しても試験参加者の方が低いという結果だった。

食による栄養成分の摂取に関しては、現実問題として通常の食事から必要分を充足するのは難しい。改定された「食事摂取基準2015」によると、日本人の1 日のタンパク質推奨量は70歳以上の男性で60g、女性では50gとなっている。サルコペニアと判定された人はさらに多量のタンパク質を摂取する必要がある。こうしたことから、アスリートやスポーツ愛好家だけでなく、アクティブシニア層でもアミノ酸や、プロテインなどといったサプリメントを通常の食事の補助的に摂取すべきといった必要性が一般的になってきた。健康食品・食品業界でもこの分野の研究開発はもっとも進んでいるテーマの1 つで、高齢社会の進行にともなう潜在的なニーズが大変大きいことから大手を中心に経営資源を投下している。機能性表示制度の導入に関しても健康維持に軸足をおいた制度といった観点から制度を活用しやすいという側面もあるが、今後の販売戦略が注目されている。




健康産業新聞1582号(2015.10.21)より一部抜粋
健康産業新聞の定期購読資料のご請求(無料)はこちら

出展資料請求はこちら
ご存知でしたか?助成金を活用した展示会出展について
出展社専用ページへ
ページトップへ戻る