2015年8月28日
【エイジングケア】美肌から眼と脳、ロコモ・筋肉までニーズは多様化

総務省の最新の人口推計によると、我が国の65歳以上の人口は3,400万人に迫っており、4人に1人が高齢者という超高齢社会に突入。アクティブシニア(元気で活動的な高齢者)も増え「いつまでも美しく健康でいたい」というが願望が高まっている。それにともなってエイジングケアを訴求した健康食品・サプリメントや化粧品の商品が売れ筋として定番化している。食品はさまざまな美容素材による新商品開発が進み、化粧品はブランドのリニューアルなどの動きが目立つ。美容ビジネスの主役とも言える高齢者に向けた取り組みは活発化している。




■超高齢社会で求められる“美と健康”
6 月に横浜で開かれた「日本老年学会総会合同大会」では高齢者は10~20年前と比べ現代の高齢者は5 ~10歳若返っている」としたうえで、「65歳以上とされる高齢者の定義の見直しの必要性についても検討すべき」という見解が発表された。高齢者のライフスタイルの変化や、テレビやインターネットによる健康情報が入手しやすくなったことも変化の理由といえる。いまやエイジングケア商品の主役は65歳以上のアクティブシニアで、そのニーズは単に肌老化の回復や保護にとどまらず、アイケアや脳サポート、ロコモ・サルコペニア対策まで多様化。商品購入だけでなくエステサロンやスポーツクラブの利用者も高齢化しており、この層にいかにして、受け入れられるかが健康・美容ビジネスにおける成功のカギを握る。




■サプリは酵素が続伸、ココナッツが脳サポートで躍進
肌の老化の原因には、偏った食生活や、ストレス、活性酸素、紫外線、乾燥、睡眠不足、ホルモン減少、遺伝子などの関与が考えられている。抗酸化やホルモンバランス、免疫向上などを訴求するエイジングケアサプリメントが数多く上市されているほか、肌の老化を予防・改善することを目的に開発された機能性コスメなどが増加中。加えて、予防中心の医療へ変革を迎える近年、美容サプリメントを用いた統合医療的アプローチや、ドクターズコスメなども消費者に受け入れられつつある。このようにエイジングケア商品は、医療・健康・美容業界を巻き込んで拡大の一途をたどっている。

エイジングケア商品は加齢によるシミやシワ、肌のたるみ対策や、紫外線による肌ダメージを軽減する目的のもの、肌が不足した栄養分を補う商品などが市場に流通している。健康食品・サプリメントに加え、美容液や化粧水のほか、最近ではホワイトニングや洗顔料、クレンジングでもエイジングケア効果を目的とした商品化が進んでいる。主な素材は、美容系ではコラーゲン、エラスチン、セラミド、プラセンタ、ヒアルロン酸、CoQ10、アスタキサンチンなど。ロコモ対策やアイケアなどの身体機能系では大豆イソフラボン、ビタミンK2、ルテイン、グルコサミン、植物発酵エキスなどがあげられる。各素材とも国内外におけるヒト臨床試験の実施によりエビデンスを拡充、ルテインやコラーゲン、グルコサミン、アスタキサンチンなど機能性表示食品としての市場投入も進んでいる。また昨年からは順天堂大学大学院教授の白澤卓二氏の著書やテレビ、雑誌で特集されたことなどによりココナッツオイルがブームとなり、脳機能サポート素材としての認知が消費者の間で浸透した。

サプリメント・健康食品分野では、本紙が6 月に受託製造企業を対象に実施した上半期の人気商品カテゴリーに関する調査で「美容・美肌」がトップに。「ロコモ対策(関節・骨・筋肉)」は3 位、「抗加齢」は5 位だった。一方、素材については「植物発酵エキス(酵素)」が前年の下半期にトップに立ったが、その座を堅持し、コラーゲン、プラセンタ、グルコサミンといった素材も上位にランクインした。




■再構築進むエイジングケア化粧品ブランド
2 兆3,000億円前後で伸び悩む化粧品市場で、エイジングケア商品は数少ない成長分野。サントリーでは2010年に発売した中高年向け化粧品シリーズ「F.A.G.E.(エフェアージュ)」を今年6 月にリニューアル。カネボウ化粧品もセルフスキンケアブランド「フレッシェル」で、BBクリームを来月リニューアル発売する。エイジングケア化粧品は主に、リカバリー(回復・改善)とプロテクト(保護・予防)に大別され、いずれも好調に推移。富士経済の調査によるとスキンケア化粧品市場におけるエイジングケア商品の割合は約35%で3,600億円に。またベースメイクにおけるアンチエイジング化粧品も今後は年に2 %程度の伸び率で推移する予測が立っている。オールインワン化粧品の浸透により売り上げを増加しにくくなってきた化粧品メーカーにとってはスキンケアやベースメイクの付加価値化によりさらなる深堀ができることが狙いだ。

本紙が受託メーカーに実施した調査によると、化粧品素材ではプラセンタや水素、馬油、ヒアルロン酸が上位に入っている。なかでも水素は高い抗酸化力と保湿効果、美白効果への期待値が高いようだ。半面、水素は分子が非常に小さく、抜けやすいことから化粧品へ配合するにはメーカーの技術力とノウハウが必要になる。

エイジングケア市場でにわかに脚光を集めているのがご当地コスメ。地方創生は日本経済最大のテーマで地方の魅力ある美容アイテムが求められている。その代表的なのが沖縄でゴーヤやフコイダン、クチャといった地域資源を用いた美容アイテムの拡充が進みつつある。こうした地域の取り組みは9月7 日から開催の「ダイエット&ビューティーフェア2015」でも紹介され、国内外への販路拡大を目指している魅力的な製品を表彰する。




■学術研究も加速するエイジング領域
関連商品の製品化が進む一方で、学識者たちによる研究も進んでいる。日本老年医学会は昨年、高齢になって筋力や活力が衰えた段階を「フレイル」と名付け、予防策について提言した。加齢による筋力の減少であるサルコペニアからさらに生活機能が低くなる状態を指す。75歳以上は「フレイル」を経て要介護状態になると警鐘を鳴らす。さらにサルコペニア、フレイルの研究を進め、診断基準や介入法を確立することなどを目的とした「日本サルコペニア・フレイル研究会」が昨年2 月に立ち上がり、老年医学のみならず内科学、整形外科学、栄養学、代謝学、リハビリテーション医学、運動生理学、歯科・口腔外科学など多くの臨床・基礎研究分野の研究者たちが情報交流する場が設けられた。同研究会では、深刻化する高齢化に向けた対策の一助となるべく取り組みを進める。また10月に第2 回となる研究会を都内で開催することになっている。

一方、美容分野では「第21回 日本抗加齢美容医療学会 Medical Beauty Forum2015」が9 月17日に都内で開催。食とアンチエイジングをテーマにしたシンポジウムでは、近畿大学医学部奈良病院教授の山田秀和先氏と、アオハルクリニック院長の小衣吏子氏による講演を予定。最新の美容向け機能性食品素材に関する報告も行われる。






健康産業新聞1578号B(2015.8.19)より一部抜粋
健康産業新聞の定期購読資料のご請求(無料)はこちら

出展資料請求はこちら
ご存知でしたか?助成金を活用した展示会出展について
出展社専用ページへ
ページトップへ戻る