2015年8月18日
世界のサプリ市場、2020年までに1798億ドルへ

■高齢化社会で高まる健康志向

調査会社のPersistence Market Researchが今年4月に発表した世界のサプリメント市場に関する報告によると、2013年の世界市場は1,098億ドルとなった。2020年までに1,798億ドルに達する見込みであるとしている。急成長するのはアジア・パシフィック地域で、中国・インドの所得向上が影響。米国はアジアに比べると成熟期に入っているが、成人の約7割がサプリメントを使用しており、市場をけん引している。海外の健康食品動向について報告する。


■米国市場
サプリメント関連でネガティブ報告も健康志向・機能性食品市場が急成長


世界のサプリメント市場をけん引する米国市場。米国の一人当たりの健康関連支出額は先進諸国と比べて一番高く、OECD平均額の3,484ドルとの比較し2 倍以上の8,745ドルと推測されている(図)。米CRNが昨年12月に発表したサプリメント利用実態の調査報告によると、米国成人の68%がサプリメントを摂取していることが分かった。55歳以上の利用率は74%に上る。サプリメント利用者の97%がビタミン・ミネラルサプリメントを摂取。オメガ3 やプロバイオティクスを含む訴求別サプリメント(スペシャリティ・サプリメント)の利用率は43%となった。

また、ハーブサプリメントは26%、スポーツサプリメントは19%の人が利用している。スペシャリティ・サプリメント素材として最も人気がある素材はオメガ3 。2013年のオメガ3 の市場規模は21億500万円で、このうち米国が約4 割のシェアを持つ。米国では毎年オメガ3 の市場が伸長してきたが、2013年7 月に前立腺がんのリスク増加と関連があるとする研究結果が一部で報告され、昨年は成長に歯止めがかかったとの報告も。同研究結果は因果関係が明らかになっていないこともあり、市場は数年で回復すると見られている。また今年2 月には、大手小売業者が販売するサプリメントに表示通りの成分が含まれておらず、ニューヨーク州が販売中止を要請。この影響で、米国ではサプリメントの信用が低下している。

当局の調査によると、GNC、Target、Walgreen、Walmart等のストアブランドのハーブサプリメントのうち、表示に記載された植物のDNAが検出されたのはわずか21%。中には4 %しか配合していない製品もあり、これらの製品にはコメ、豆類、松、柑橘類、アスパラガス、サクラソウ、小麦などが表示に記載なく混入していたという。表示内容や誇大広告が州法に抵触する可能性や、アレルギー物質摂取の恐れがあるとして、ニューヨーク州が販売中止を要請した。この一件は少なからず市場に影響を与える結果となり、今後、消費者の信用回復が急務となっている。

一方、健康志向食品の需要は増加しており、オーガニック、スーパーフード、グルテンフリー、機能性食品等の需要が急成長している。3 月に開かれた米国最大規模の自然・健康食品総合展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」は、昨年より100社増の約2,700社で開催。初出展企業も634社に及ぶなど、この分野の成長ぶりが伺えた。展示会で特に目立ったキーワードは、「グルテンフリー」と「スーパーフード」。調査会社のPackaged Factsによると、2014年のグルテンフリー市場はおよそ10億ドルで、5 年間で34%伸長。2019年までに20億ドルに達する見込みであると推計している。一方、スーパーフードとしてはチアシードやキヌア等がトレンドとなっているが、最も成長しているのが「ココナッツウォーター」。調査会社のミンテルが2013年に発表した調査報告によると、過去5 年間で市場規模は5 倍以上に伸長しているという。米国では健康志向の高まりから、炭酸飲料や糖分の多いジュースの売り上げが低下しており、ココナッツウォーターに代表される天然飲料のほか、健康茶やフレーバーウォーターの市場も伸びている。



■アジア市場
中国市場、急速な高齢化で成長続く タイ、インドネシアは2ケタ増で成長


世界第2位の市場規模を誇る中国の保健食品市場は、消費者の健康意識や消費意欲の高さにより、現在も急成長している。健康食品全体の市場規模は、2011年が1 兆6,400億円、2012年が1 兆8,300億円、2013年が2 兆5,400億円となった。そのうち、保健食品の売り上げはおよそ75%に上る。

中国では高齢化が急速に進展。2013年には60歳以上の高齢者人口が2 億人を超え、認知症患者は600万人に上る。さらに慢性疾患の罹患率は20%に達し、慢性疾患による死亡率が全体の83%を占めるといったことから、保健食品の需要が高まっている。

CFDA(国家食品薬品監督管理総局)のデータによると、2014年末時点での保健食品登録数は国内品で1 万3,806品、輸入品で711品に達した。ヘルスクレームは免疫力向上、アンチエイジング、抗疲労といった内容が多い。アセアン諸国も経済成長に伴うセルフメディケーション意識の高まりから、健康食品への需要が高まっている。中でもタイ、インドネシアは近年2 ケタ成長が続いている。調査会社のユーロモニターによると、タイの2013年の健康食品市場は約5,237億円で、このうちサプリメント市場は3,081億円に上ると推計。2015年の健康食品市場の成長率は約14%に及ぶとしている。

また、インドネシアの2013年のサプリメント市場規模は約2,260億円に上り、前年と比較して16.3%成長。そのほとんどが米国を中心とする輸入品であることから、日本企業にとって参入の余地がありそうだ。



健康産業新聞1575号B(2015.7.1)より一部抜粋
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