2015年7月17日
【医療用EBS(エビデンスベースドサプリ)】眼科・心療内科など新領域で導入本格化

生活習慣病の予防や抗加齢・美容領域を中心に、今後大きな展開が期待される医療用EBS。その成否は一般向けサプリとの差別化やエビデンスの構築がカギを握る。機能性表示食品制度では、「目」、「睡眠」、「膝関節」などの機能で届け出た商品が受理されたことを受け、今後、眼科や心療内科など新たな医療サービスでの利用拡大も視野に入ってきた。補完代替医療で約8割のシェアを持つ免疫系サプリは、厚生労働省から医療機関におけるサプリメント等の食品の販売を明確化する事務連絡が昨年8月に通知されて以降、「患者の療養向上」を目的に
利用されるケースが増え、新たにサプリ導入を進める動きも加速している。エビデンスについては、ヒト試験による有効性評価や安全性の確保、品質の均一化が求められる。



■「患者の療養向上」にサプリ利用



厚労省が昨年8 月28日、「患者の療養の向上」を目的に、医療機関におけるサプリメント等の食品の販売を明確化する事務連絡の通知以降、ドクターズサプリメントや医家向けサプリメントを開発する動きが加速している。今年4 月17日には、厚労省からこの事務連絡に関連した質疑応答集(Q & A)が出され、「交付」と「販売」の定義を明示した。Q & Aでは、医師が診断し、患者の療養の向上のために、患者に対してサプリメントやコンタクトレンズを渡すことを「交付」とする一方、不特定多数の人に対し、医業に付随せず渡すことを「販売」とした。「療養の向上目的」の具体例として、コンタクトレンズを例に挙げ、「眼科学的に適切な診察・指導を当然の前提として、患者のために、療養の向上を目的としてコンタクトレンズを交付するような事例を指す」とした。サプリメントについても、医学的に適切な診察・指導を前提とすれば、「交付」が可能となった。

これまで医療機関ルートにおけるサプリメントの取り扱いは、個人開業医や自由診療によるセカンドオピニオン外来、サプリメント外来などを開設する診療所に限られていたが、「8 ・28事務連絡」以降、眼科、婦人科、皮膚科、美容外科、整形外科、内科、心療内科、歯科などの診療所でサプリ導入を進める動きが活発化している。医師の多くは独学で栄養学を習得し、血液検査などの数値を基に、栄養療法や補助療養としてサプリメントを患者に利用している。臨床現場では、ビタミンC、D、カルシウム、ルテイン、CoQ10、大豆イソフラボン、乳酸菌、ヤマブシタケなどの導入実績が高い。がんや生活習慣病に対する補助療法やQOL改善を目的とした臨床現場では、ビタミン・ミネラル、AHCC、米ぬかアラビノキシラン、オリザロース含有食品、オメガ3 系脂肪酸、ローヤルゼリーなどを臨床応用するケースが広がっている。

大手企業では、ファンケル、ディーエイチシー、大塚製薬、サンスター、味の素、参天製薬、わかさ生活、ニチモウバイオティックス、ボシュロム・ジャパン、森下仁丹、カネカグループのユアヘルスケアなどが医療機関ルートで展開。補完代替医療で約8 割のシェアを占める免疫系サプリでは、アミノアップ化学、大和薬品、オリジン生化学研究所、アオテアロア、アスコルバイオ研究所、補完代替医療、浅井ゲルマニウム、サン・メディカなど中小企業が高い導入実績を持つ。

ここ数年、医師が開発に携わったドクターズサプリの投入も活発化しており、特にコンタクトレンズメーカーやOTC医薬品メーカーの市場参入が相次いでいる。メニコンは日本最大の不妊治療コミュニティ「ジネコ」および不妊治療専門・婦人科医の企画支援を受け、ラクトフェリンや亜麻リグナンなどを配合した『ルナリズム』を5 月に発売。同社のサプリメントブランド「食べるヨガ」シリーズとして展開する。ロート製薬は先月24日、ルテインとゼアキサンチンを機能性関与成分とした機能性表示食品『ロートV 5 粒』を薬局・薬店で発売した。



■「かかりつけ薬局制度」来春導入、セルフメディケーションでサプリ不可欠に



医療機関との流通手段は直取引が中心だが、今後、スケールメリットを図る観点から、病院や調剤薬局などに医薬品供給を行う中間流通業の活用も増えそうだ。診療報酬や薬価改定、仕入れ原価の上昇などにより、調剤事業の収益性が低下している保険薬局業界では、サプリメントやO T C医薬品の品揃えを進める動きも。薬粧卸大手の大木では、小規模経営の調剤薬局に対し、OTC医薬品やサプリメントの簡便な発注が可能なシステムを開発。現在、調剤薬局との取引は5,000店舗を超え、将来的には1万店舗を目指す。来春には、患者の服薬状況を一元管理する「かかりつけ薬局」制度がスタートする。「かかりつけ薬局」としての機能が強化されると、発症リスクのチェックや食生活の改善を指導しながら、セルフメディケーション推進の観点から、サプリメントや機能性表示食品を販売するケースが広がりそうだ。

エビデンスを重視する傾向が強まる中、データに裏打ちされたサプリメントは、今後も医療現場で導入が進むとみられる。医療現場ではサプリメントに関する患者からの相談件数が年々増加する一方で、有効性・安全性の情報や医薬品との相互作用、副作用への影
響などに関する情報不足を指摘する声も。このため、医家向けサプリを展開する企業からは、「成分が特定できれば、機能性表示食品制度の利用メリットは大きい」との声が複数聞かれた。




健康産業新聞1576号(2015.7.15)より一部抜粋
健康産業新聞の定期購読資料のご請求(無料)はこちら

出展資料請求はこちら
ご存知でしたか?助成金を活用した展示会出展について
出展社専用ページへ
ページトップへ戻る