2015年7月10日
低出生体重児、生活習慣病リスク増(早稲田大・福岡教授)

健康・長寿研究談話会主催の第9 回アカデミックサロンが先月12日、都内ホテルで開催され、医師や大学教授、一般企業、メディアなど関係者約50人が参加した。

早稲田大学総合研究機構研究院の福岡秀興教授は、「日本における次世代の生活習慣病リスク―生活習慣病胎児期発症起源説の視点から―」と題し講演。生活習慣病の疾病発症機序の1 つとして近年注目されている「DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)」説について解説。同説は、低出生体重児(出生体重2500g未満)ほど将来、生活習慣病に罹患しやすいという説。

同氏は、お産の危険を回避するために帝王切開で出産した低出生体重児が、正常な分娩で出産した児童に比べてⅠ型糖尿病の発症リスクが1.23倍高まることを示したデータをはじめ、出生体重と虚血性心疾患死亡率の相関性を示したデータ、出生体重と男性メタボリック症候群発症オッズ比を示したデータを紹介し、低出生体重児の疾病リスクが高まることを紹介。さらに出生体重低下による発症リスクが明確な疾患として、①虚血性心疾患、②(Ⅱ型)糖尿病、③本態性高血圧、④メタボリック症候群、⑤脳梗塞、⑥脂質異常症、⑦神経発達異常―― などを挙げた。これら根拠については、1944~1945年のオランダの冬の飢餓事件、1959~1961年の中国で起きた飢餓事件を通じて、証明されているとした。

また同氏は、日本における低出生体重児の頻度が増加しており、OECD加盟国でも突出して高い(2012年9.6%)点に触れ、その原因として最近の20代・30代女性は痩せ(BMI:18.5以下)の頻度が高く、妊娠中の平均エネルギー摂取量が1,700kcal以下と低いことを指摘。なかでも葉酸やビタミンB群、脂肪酸、タンパク質、炭水化物などの不足が深刻な問題に繋がるとした。同氏は最後に、次世代の健康と疾病予防を考える上で、エピジェネティクス偏移を起こさせないよう、妊娠前から妊娠中のエネルギー、米穀類を含む栄養の重要性を広く周知・指導していくことが重要だと語った。





健康産業新聞1575号(2015.7.1)より一部抜粋
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