2015年6月11日
【夏の冷え対策】“温活”人気受け、夏場も温熱商材活況

健康・美容のために定期的に体を温める“温活”が人気を博す中、女性層を中心に、夏場でも温熱マットや手足浴器、腹巻き、重ね履き靴下、ショウガなどの温感食材といった、体を温める商材の売れ行きが伸びている。冷え対策の温熱商材は、冬場を中心とした需要から夏場も売れる通年商材として、市場を拡大しつつある。さらに近年、温熱による認知症、ロコモティブシンドロームの予防にも有効なデータや実例が出てきている。超高齢化社会の中、健康寿命の延伸を目的に、温熱の新たな利活用が進むことにも期待される。




■“温活”がライフスタイルとして定着
体を温める温熱商材の人気が近年、季節を問わず高まっている。背景には、女性誌やテレビなど各メディアが、新たな健康法の1 つとして「体を温める活動=“温活”」を頻繁に取り上げる機会が増え、温活の実践者が増加していることが挙げられる。

温活の普及に伴い、専門家が特に危険と口を揃える「夏場の冷え」についても、人々の意識が高まりつつある。夏場は暑さのため、冷えに無防備になりやすい。クーラーの過度な使用や、冷たい食品や飲料の過剰摂取、薄着など、体を冷やす行為を連日繰り返すといった生活を送る人が多い。冷え研究の専門家は、「夏の間に体を冷やし続けた結果、冷えが体内に蓄積され、秋から冬に掛けての体調不良に繋がる。夏場こそ体を温めることが重要」と、警鐘を鳴らしてきた。また、冷えは肥満やセルライト、むくみ、肌のシミやクスミ、髪のパサつきなどの原因とも言われることから、「冷えは老化のシグナル」と提唱する専門家もいる。

温活の普及はまた、夏に体を冷やさないように、腹巻きをする、靴下の重ね履きをする、ショウガを筆頭に高麗人参やヒハツなど、血行を促進して体を温める食品を摂取する―― など、女性層を中心に、温熱商材の消費活動も活発化させている。これまで温熱商材は、冬場を中心に需要が伸びる季節商材にとどまってきたが、最近では夏場でも売れ行きが落ちることなく、年中売れる商材へと変化しつつある。腹巻きや靴下などに至っては、「夏場の方がむしろ売れる」と話すメーカーまでみられる。




■“温活”実践者増加で市場に追い風
実際、今回の取材でも温熱商材のメーカーの多くが、「近年は夏場でも温熱商材が動くようになってきた」とコメント、温活人気が温熱商材市場にとって追い風となっていることがうかがえた。

トラストレックスでは、温水ヒーターで作ったお湯の熱を利用して体を温める商材を各種展開。なかでも温熱マット『癒眠』が好調だ。副交感神経を優位にさせ、快眠に繋がると評判を呼び、「昨シーズンは夏場でも販売は好調に推移した」とし、今夏も好調を予測する。ドクターセラムでは、遠赤外線やマイナスイオン、微弱放射線を発生する希土類鉱石を含有した一般医療機器『イオンディスクASTRA』が、冷え対策商材として、エステサロンや治療院などに導入が進んでいるという。

また、風呂関係の商材は夏場でも動きは堅調だ。入浴剤OEMの老舗企業・五洲薬品では、フルーツ酸を配合した炭酸+水素発生機能を持つ錠剤タイプのエイジングケア入浴料、湯色やエッセンシャルオイルの香りで眠る前のくつろぎタイムを演出する入浴料、各種バスソルトなどの商品を開発、OEM供給を中心に売上げを伸ばしている。水素生活では、水素ガスを発生する入浴料の製造卸、OEMを展開。水素には紫外線老化に対する予防効果なども確認されている中、新規取引先も順調に増えているという。水素化マグネシウムを主成分とした入浴料のOEMを展開するドクターズチョイスも同様だ。今期は水素ブームを背景に、水素入浴料や風呂用水素水生成器など、“水素浴”関連商材の開発が活発化しており、温熱市場でのシェアを拡大している。

一方、温感食材の市場も近年はショウガ素材を中心に順調だ。国産ショウガの大手サプライヤー・坂田信夫商店では、乾燥(チップ、粉末)や冷凍(ペースト、生姜汁、各種カット)、塩漬けなど、様々なショウガ原料を供給。健康食品だけでなく、一般食品用途でも供給量は伸びているという。サビンサジャパンコーポレーションでは、冷え対策に有効なデータを揃える『ブラックジンジャー抽出物』の供給が順調だ。最近は、抗酸化作用などプラスαの機能を持つブラックジンジャー、ミネラル分が豊富な沖縄県産ショウガ、発酵させたショウガなど、各メーカーともバリエーションに富んだショウガ素材をラインアップしている。一方、丸善製薬はヒハツ由来の機能性食品素材『TieヒハツエキスパウダーMF』の冷えやむくみの改善、血流改善に関するデータを取得、差別化原料として提案しており、供給量は年々増加、通年素材として、同社の主力素材の1 つに成長している。日本生物.科学研究所では、納豆菌培養エキスの『NSK-SD』の原料・OEM供給を展開。血流改善に伴う冷え対策素材として需要が拡大しているという。その他、TOWA CORPORATIONは、南米ペルー産マカ由来の『MACAXS® マカ・エキスパウター』が、手足や腰の冷え改善に有効とのデータを取得、グリコ栄養食品は、糖転移ヘスペリジン『αGヘスペリジン』を冷え対策素材として提案している。最近は、血流改善素材を展開するメーカーの中にも、体温上昇などに対するデータを取得し、冷え対策素材として提案するケースが増えている。




■認知症、ロコモ対策、広がる温熱活用
温熱の新たな活用も進んでいる。近年は温熱の認知症やロコモ対策への有用性も明らかになりつつある。もともと高齢者は加齢に伴う生理機能や運動機能の衰えから、平均的に体温が低い傾向にあり、リハビリや運動前に体を温めることの有用性は知られていた。冷え研究の第一人者である全国冷え症研究所所長・山口勝利理学博士は、サプリメントと温熱療法、運動療法を組み合わせることで、ロコモティブシンドローム対策に効果的なリハビリ『ロコリハ』を開発。自ら経営するデイケア施設をはじめ、グループの100ヵ所以上のデイケア・介護施設で実践し、高い効果を上げている。現在は医師や介護士など専門家を交えた「マヒ機能回復研究会」を設立、講習会などを通じて『ロコリハ』の普及活動も実施している。また温熱ドーム『スマーティ®』を製造販売するフジカも大学や医療機関との共同研究で、『スマーティ®』による温熱で、認知症の予防改善や介護現場でのリハビリ対する有用性データを数多く蓄積している。今後は地方自治体と共同で、高齢者のQOL改善に対するデータ取りも行う予定という。

超高齢化社会に突入した今、健康寿命の延伸のためにも、介護予防分野やロコモ対策分野でのさらなる温熱の利活用が進むことが予想される。





健康産業新聞1572号(2015.5.20)より一部抜粋
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