2015年5月28日
【機能性表示】機能性農産物の個体差議論、農水省に託された大きな役割

消費者庁が公表した機能性表示食品制度の届出状況によると、4月24日現在で11品目が届出を受理された。内訳はサプリメントが8品、サプリメント以外の加工食品が3品で、農林水産物は含まれていなかった。ただし温州みかんのβ-クリプトキサンチンと、べにふうきに含まれるメチル化カテキンなどは、すでに研究レビューが作成済みで有力視されている。農林水産物は収穫時期の関係から、秋口以降に機能性表示食品の申請が増える見通しだ。こうした中、制度活用にとって不可欠となる農林水産物の個体差に関する技術的対応については、判断を見誤れば制度の根幹を揺るがすこともある課題として慎重に議論が進められている。




生鮮食品やそれらを利用した簡易な加工品は、季節や天候の影響を受けやすく一般的な加工食品に比べて機能性成分の濃度のバラつきも大きい。従来からの課題として成分濃度の規格をどのように設定するか、生産方法の改善や品質管理などを技術的にクリアするための手法の検討が必要とされている。規格設定や届出後の検査、成分濃度をそろえるための生産方法を品目別に盛り込んだ手順書を作成する「データ収集技術等小委員会」は先月22日の会合を終えた後、手順書の作成に向け最終案を完成させる予定だった。しかしながら、会合では、天然品である農林水産物を評価することの難しさをあらためて認識させる結果になった。

規格の表示に関しては一般的に下限値表示を採用し、新たな品種を生産するような場合は安全性の観点から「下限値~上限値」を表示することなどで合意したが、委員の間からは「3 つのカテゴリーの食品が同じ機能性表示食品制度を活用することになる。サプリメントや加工食品はいわゆる工業製品。天然の食品である農林水産物はこれらとは異なる。そもそもの考え方が工業製品とは違うということを見誤ってはいけない。そのため許容区間を甘めに設定する必要があるのではないだろうか。また平均値と標準偏差により評価し、全数でなくロットごとの評価にすべきでは」など、手順書作成の考え方に関して指摘があった。事務局側では意見に理解を示したうえで、「消費者に適切な情報を与えるためにも一定の許容区間を設け、ニーズを満たすためにできる限り努力は必要だと感じる。例えば『温州みかんを何個食べればよいのか』という消費者の判断にもかかわってくる」とデメリット排除の姿勢をみせた。

機能性表示食品制度のガイドラインの中で農林水産物に関する記載はわずか。それだけに農林水産物に関していえば、農水省が生産者や流通事業者の有意義な制度活用に果たす役割は大きい。農水省は消費者庁からこの分野に関する信託を受けており、制度の活用を希望する生産者側にとっても水先案内人という立場になることが望まれている。会合に出席した生産者側の委員も「届出側の立場から考えると、生産者にはハードルが高い。消費者を意識しすぎることはコストアップにつながる。最終的には生産者が迷わないよう明解な品目別手順書を望む」という要望も口にした。委員会が終了後、4 回目の会合が開催されることとなったが、手順書の一般公表は夏を予定。届出後の検査に関する内容を修正した上で、委員たちは再度意見交換の席につく。





健康産業新聞1571号(2015.5.6)より一部抜粋
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