2015年6月9日
スポーツニュートリション伸長 女性や高齢者へと裾野を広げ

機能性表示食品制度でさらなる拡大へ


近年、健康志向の高まりから運動シーンが広がり、ライトユーザーへと裾野が広がっている。
こうした動きをにらみ、各メーカーでは、より「手軽」に「おいしく」栄養摂取できる
スポーツニュートリション商品の提案に注力している。さらにライトユーザーのみならず、
ダイエット中の女性や高齢者のロコモ対策なども取り込み、それぞれの目的に合わせた
商品展開を加速している。原料サプライヤー側では、今春スタートした機能性表示食品制度への
対応を進める動きも。トクホで広がらない「抗疲労」といった表示も期待でき、市場拡大に
つながるか注目される。


フィットネスクラブが好調
PBサプリの展開も加速


スポーツ人口の高まりを受け、スポーツニュートリション市場が拡大を続けている。
笹川スポーツ財団が2014年に実施した調査によると、「週2 回以上、1 回30分以上、
ややきつい以上」の条件で運動・スポーツを実施している「アクティブスポーツ人口」は
全体の18.7%で、1,914万人に及ぶと推計。また、実施時間30分未満を含む、
週2 回以上の積極的な実施者は全体の47.5%を占め、4,931万人に上るとしている。
ランニング人口も依然高い水準を保っており、成人のジョギング・ランニングの
年1 回以上の実施者は986万人と推計。男性の実施者が多いが、女性も近年増加しており、
2014年は過去最高値を記録した。

フィットネスクラブの伸びもスポーツニュートリション市場の伸長を後押しする。
レジャー白書2014によると、2013年のフィットネスクラブ市場は前年比2.9%増の
4,240億円に伸長した。主要施設の多くが増収増益で、会員数は特に50歳
以上の会員が伸びて史上最高を記録し、利用回数も増えているという。24時間営業や
ダイエット特化型ジム、女性専用クラブ、中高年・シニア向け教室、介護予防対応ジム
―― など、多様なライフスタイルに対応しつつ、コンセプトを明確にした業態が伸びている。
これらのフィットネスクラブでは、運動直後にエビデンスに基づいてサプリメントを
提供することで、客単価向上につなげている。

自社ブランドを展開するフィットネスクラブも増えている。コナミスポーツクラブでは、
中高年層向けのロコモ対策飲料やコラーゲンドリンク、青汁などを自社ブランドで展開する。
NASスポーツクラブでは、「アスリート」「カラダづくり」「ダイエット」など
5つの目的別商品を開発し、販売している。クラブ会員との接点を持つことができ、
売上と会員数とのシナジー効果が得られるという。
THINKフィットネスでは、『ゴールドジムホエイプロテイン』シリーズの売り上げが好調。
ゴールドジムが順調に店舗数を増やしていることをはじめ、ジム会員に向けた
食事レクチャーなどを通して、商品普及に取り組む啓発活動が実を結んでいるという。


アスリートの間で広がり
プロテイン市場が2ケタ増に伸長


スポーツニュートリション素材として近年成長しているのがプロテイン系素材だ。
2014年度の国内プロテイン市場(スポーツニュートリション用途)は、毎月コンスタントに
伸長が続き、前年比2 ケタ増の260億円(推計)に成長した。プロテインは世界中で伸長し、
原料価格も高騰している。ニュージーランドの乳業会社タツア協同酪農では、世界的な
ニーズの高まりを受け、このほどペプチド製造ラインを増強、約3 倍の生産体制を整えた。
市場の好調な伸びに対し、主要サプライヤーからは「理由はよく分からないが、調査の結果、
裾野が広がっているわけではないのでは」との声が聞かれた。伸長の要因としては、
コアユーザーの中での広がりや、部活動に参加する中高生、ジュニアアスリートの間での
伸長が考えられるという。

最近10年間ほど伸長を続けているプロテイン市場だが、主要メーカー・原料サプライヤーは、
「世界市場で見ると日本市場の規模はまだまだ小さい」と冷静に分析する。
最もユーザー数の多い米国では、スポーツ用途のプロテイン含有食品の市場規模が
2012年時点で3,464億円とされ、10分の1 にも満たないのが現状。
とはいえ間口が広がっているのは事実で、スポーツ人口の増加に併せて各社が提案する
「手軽にプロテインを摂取できる商品」の売り上げが伸びている。
その代表商品が、森永製菓がCVSやDgSで展開する『ウイダーinバープロテインベイクドチョコ』。
非常に好調な売り上げを見せているという。同社では今春から、ウエファースタイプ商品も
CVSルートで販売を開始。「これらの商品を通じ、エントリーユーザーが入り込んできている。
いかにパウダーに繋げられるかが重要」と話す。
明治では、プロテインの必要性を感じていない人の意識を変えるような取り組みを推進。
商品提案としては、今年発売予定のプロテイン強化牛乳『ザバスミルク』を通じ、タンパク質の
重要性を理解してもらう取り組みを進めていくとしている。


原料メーカーの提案も加速
機能性表示食品への期待も


伸長しているのはプロテインだけではない。様々なスポーツニュートリション素材が、
アスリートからアクティブシニア、ロコモ対策などへと裾野を広げ、提案を強化している。
高純度クレアチン・モノハイドレート原料『CREAPURE®』を供給するクレアチン事務局では、
新規参入企業をはじめ、高齢者のロコモ・サルコペニア対策素材として採用するメーカーの
増加などを受け、原料供給量は右肩上がりの状況という。小麦タンパク加水分解物
『小麦プロテインE GP-1』を展開する日清ファルマでも、アスリート向け用途を中心に、
アクティブシニア向け、高齢者用食品など幅広い用途で導入を進めている。
ニュートリションアクトでは、新素材のオリーブ葉抽出物『OleaVita』の引き合いが増えている。

太陽化学では、スポーツニュートリション素材を注力分野の1 つに位置付け、鉄やテアニン、
アスタキサンチン、カテキン、食物繊維、CoQ10など、スポーツシーンに応じた多様な素材を展開する。
ティーエストレーディングでは、昨秋に上市したロディオラ・ロゼア抽出物
『ロディオライフRhodiolife®』の供給に注力。このほか、ILSがL-カルニチンとヘム鉄を、
ネキシラが天然のスポーツ栄養素材『Vinitrox』を、ジャパンローヤルゼリーが、RJプロテインを供給する。

今春スタートした機能性表示食品制度も市場拡大につながるとして注目されている。
BCAAやCoQ10、L-カルニチンなどがその候補として挙がっており、「スポーツ時の疲労回復」
「運動後の筋肉痛の緩和」などといった表示が行える可能性が高い。CoQ10ではすでに「抗疲労」で
届出を行うとする企業も出ており、今後の展開に期待ができそうだ。


健康産業新聞1572号(2015.5.13)より一部抜粋
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