2015年3月24日
抗疲労 機能性表示制度の目玉として注目

イミダペプチド市場が拡大、高含有グレードも登場


慢性疲労に悩む現代人の支持を得て急速に市場拡大する抗疲労サプリメント。
その代表的な素材であるイミダゾールジペプチド配合製品は、昨年は4割以上の伸びを示した。
今年に関しても、好調感を維持。通販やドラッグストアなどを中心に販売が拡大している。
日本の抗疲労研究は、先進的な取り組みにより世界をリードしている分野。ほかにも抗疲労素材
としてビタミンC、システイン、ビタミンB1、カルニチン、コエンザイムQ10などが市場から評価。
抗疲労サプリメントは来月導入の機能性表示食品制度で「疲労回復」という表現が利用できる
見通しであることから、にわかに期待が高まっている。


世界をリードする日本の抗疲労研究


わが国の抗疲労研究は1991年、旧厚生省が大阪大学の木谷照夫教授を中心に構成したCFS(慢性疲労症候群)
の調査研究班を発足したのを機に本格化した。その後も産学官連携などによるプロジェクトが進展。
2003年から06年には総合医科学研究所に加え大手メーカー・商社18社と大阪市、大阪市立大学などの行政や
研究機関が連携し、「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」が誕生、「抗疲労」をヘルスクレーム
としたトクホ商品を申請するなどの研究成果を得た。

大阪市立大学は2003年、疲労科学の研究教育拠点として21世紀COEプログラムに採択。世界最高水準の疲労研究の
国際拠点を目指し、世界中から参加できる国際疲労研究センター、疲労クリニカルセンター、抗疲労食薬環境開発
センターを設立している。一昨年には新たな研究開発拠点として健康科学イノベーションセンターを開設。さらなる
研究体制の整備をはかっている。現在は、運動後の疲労回復と疲労感の軽減に着目した臨床研究が進行。さらに
これまでの研究により徐々に疲労メカニズムが解消されつつある。疲労と慢性疲労のメカニズムには酸化と修復
エネルギー低下とプチ炎症・炎症が起因しており、オーバーワークによる酸素の大量消費が活性酸素を大量発生させ、
それにより細胞機能が低下し、疲労した状態に至る。酸化を抑える機能性食品素材としては、ビタミンC、ビタミンE、
システイン、グルタチオン、β-カロテン、ポリフェノール、アスタキサンチン、イミダゾールジペプチドなどが
あげられ、修復エネルギーに関しては、老化により不足しがちなビタミンB 1、α-リポ酸、カルニチン、
パントテン酸、クエン酸、コエンザイムQ10の摂取が必要になる。

健康科学イノベーションセンター所長などの要職につき疲労研究の第一人者として知られる渡辺恭良氏も、
これらの抗酸化素材と修復エネルギー素材をバランスよく組み合わせた疲労回復や抗疲労の食品開発を提唱。
さらに渡辺氏は慢性疲労と脳内炎症との関連性なども解明している。抗酸化素材の1 つである
イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)は休みなく飛び続ける鳥の胸肉や回遊魚の筋肉中に多く
含まれていることで知られているが、分子量が小さく血液脳関門を通過する物質だ。ほ乳類では骨格筋に多く存在し、
人では脳にも多くみられる。


「疲労回復」が使用可能に 市場拡大に追い風


抗疲労に関しては、機能性表示を巡る動きが活発化。日本予防医薬ではかねてからイミダゾールジペプチドを
関与成分とする『イミダペプチド』でトクホ申請を行っている。来月から導入開始の機能性表示食品制度では
「疲労回復」という表現がネガティブリストから外れ、ヘルスクレームとして利用できる見通し。
新制度では客観指標だけでなく、学術コンセンサスがとれれば主観指標も評価されることから、
抗疲労サプリメントメーカーの注目が集まっている。イミダゾールジペプチドやコエンザイムQ10などの製品を
手掛けるメーカー各社はエビデンスが豊富な素材であることから新制度の登録に向けた動きを
積極化することが見込まれている。

日本ハム中央研究所では鶏胸肉を原料にイミダゾールジペプチド含有量を15%以上で規格化した『CBEX-P』や、
チキンエキスを原料とした『イミダ40』などを供給。売上げベースでは数倍増となった。『イミダ40』は鶏肉特有の
味とにおいを大幅に低減した素材で、顆粒やドリンクなど幅広い用途で導入が進む。

東海物産は、新たにイミダゾールジペプチド50%含有の『AC-50(IK)SD』を発売。業界最高の含有量を全面的に
PRしている。同社ではイミダゾールジペプチドを含む3種の抗酸化剤による抗疲労効果を提案。
イミダゾールジペプチド素材の昨年の販売は3 割拡大した。

総合医科学研究所は、疲労バイオマーカーをはじめとする独自のバイオマーカー、生体評価システムを用いて
食品などの機能性や安全性に関する評価試験と、付随サービスを展開している。疲労関連の研究では、原著論文が
国内外で35報に上るほか、国際学会のシンポジウムや一般講演などで数多くの発表を行うなど国内トップの研究実績が
あることで知られる。

健康産業新聞1568号(2015.3.18)より一部抜粋
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